2019年01月23日 読了
家族のために、家事をすること。
それがこんなにも大変だなんて、誰も言ってくれない。
家事と、育児と、仕事と。
苦しくて死んでしまおうと思うほど追い詰められる人たちが、どんな思いでいるのかをじっくり書いてあるので、読んでいて苦しくなる。
それは女だけの話ではなく、育児休暇を取った男性でも同じ。
これは、家事を”手伝っている”と言っている人たちに是非読んでほしい。
切実すぎてうなされそう。
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読書と手芸の記録
2019年01月23日 読了
家族のために、家事をすること。
それがこんなにも大変だなんて、誰も言ってくれない。
家事と、育児と、仕事と。
苦しくて死んでしまおうと思うほど追い詰められる人たちが、どんな思いでいるのかをじっくり書いてあるので、読んでいて苦しくなる。
それは女だけの話ではなく、育児休暇を取った男性でも同じ。
これは、家事を”手伝っている”と言っている人たちに是非読んでほしい。
切実すぎてうなされそう。
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2018年12月27日 読了
十三層の巨大楼閣の頂点にいるという太夫の名を付けた伊武は、精巧な機械でできたオートマタだった。
幕府転覆を狙う技工士が作りだしたと言われていたが、それははるか1000年も前の技術であった。
伊武に惹かれた男がまた一人、その技術を学び、伊武を生かす。
艶めいた出来事はないが、代わりに精密な機械の動きに驚かされ、興味をそそる。
伊武に関わる秘密が少しづつ明らかになり、やがて大きな野望を浮き上がらせる。
最初から最後まで、オートマタの技術に引き込まれていたため、久蔵や幕府の隠密たちがどう動いて何を企んでいたのか少しも気づかなかった。
伊武を動かせる人は、一つの時代に一人だけとなるため秘密は漏れない。
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2018年12月19日 読了
ある日病院に連れてこられた救急患者は、極度の貧血だった。
しかし、点滴で充分な補充をしたにもかかわらず、一向に改善しない。
そして患者は昔、瀉血を繰り返していた。
おかしな現象と思われる症状を見て、不思議と原因を言い当てる医師・西丸は、”臨床探偵”と渾名されていた。
西丸の大学時代を描いた「消えた脳病変」が、第十一回ミステリーズ!新人賞受賞作。
患者を信じたいが症状からは納得できないと悩む若い医師たちの様子を眺めながら、真相を言い当てるまさしく『探偵』。
その根拠ももちろんなるほどと思わせ、こちらの未熟さを静かにフォローしてくれる。存在感があまりないように書かれているのが、今までにない探偵。
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2018年11月24日 読了
いつからいるのか、枯れもせず、動けず、ただじっと毎日を過ごしていた草のところに、ある日子狐がやって来る。山姥も姿を現し、やがて草の語る『話』に耳を傾ける。
草が語る話は、どれも知っている昔話。
子狐の寝物語に語るうち、だんだん現実と交差していき、草の下にやって来る旅人も登場人物となり。現実となる。
不思議な昔話だと思っていたら、予想外の展開に。
神は人が作り出し、人から忘れられれば消えてゆく。
神ですらも、予見できず抗えないことがあるという。
今までの朝井まかてにはない分野だった。
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2018年11月16日 読了
毎年年末に行われる国民的娯楽番組《推理闘技場》。
新たにできた法律を支える文字通り命を賭けた戦い。
10回目の今回は、キャリーオーバーで20億円の賞金という、知を尽くして生き残る番組に予選を勝ち残ったのは、ミステリーオタクたち。
まだストーリーが読み上げきれてない時から一度きりの回答権を使いながら推理していく。
死ぬか20億かの選択で、ハラハラしながら読み進める。
でもだんだん胡散臭くなってくる。
それでもカラクリがわからず、どうなってしまうのかと興味をそそられるばかりで、予想もつかない。
残酷な話ではあるけど突飛すぎて感情移入もできず、そのおかげで壮大な仕掛けのあるミステリーを楽しめた。
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2018年10月24日 読了
学校ではわざと悪い点を取ったりする問題児だが、映画好きで頭のいい少年・翔一と知り合った俺。
しかし、翔一の親友が惨殺死体で発見され、翔一も行方不明となった。
俺は、翔一の担任の春子に頼まれて彼を探すことにした。
殺された少年の状態のひどさに息をのみ、これは絶対ヤクザの仕業だと思わせながらも、いくら探してもつながってこない。
最後にわかる理由が恐ろしすぎて、久しぶりのハードボイルドに飲み込まれた。
映画の印象が強いため、大泉洋の顔がどうしても浮かんでくる。
そのおかげで、痛い場面でもちょっと気が抜ける緩さがあって面白かった。
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2018年10月19日 読了
武家に生まれたが、妾腹だったために疎まれ、寺に預けられた久斎は、大事に思っていた娘の死を受け入れられず、寺を飛び出した。
その後に出会う人たちとの暮らしで、久斎は無暁と名乗り、波乱万丈の人生を生きる。
寺を飛び出した後、出会った万吉と暮らした日々があっという間に終わってしまい、残りはいったい何の話だろうといぶかしんでいたが、そこからはもっと濃い人生となった。
苦しい生活、ひどい天災や飢饉が長く語られるが、一番印象的だったのはイナゴの群れだった。
虫にすらなすすべもないとは、悲しさが残るばかり。
最後は若い頃の彼とは別人のように人が変わる。
でもやっぱり悲しみが募る。
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2018年10月14日 読了
税金滞納者に日々納税指導を行なう、国税徴収官。
鬼の鏡トッカンについて悪質な滞納者へ立ち向かう日々。
そんなぐー子も入局5年となり、税大研修での怒涛の課題の中で鏡トッカンと経験したことを発表すると、引かれるほど驚かれる。
国家公務員なのに、入局後にまた学校へ入る?
知らなかった。厳しそう。
どんな滞納者にも毅然と立ち向かう姿は今までも描かれていたけど、今回も刺激的で衝撃的だった。
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2018年10月10日 読了
1662年アムステルダム。
海抜が低く、常に浸水と闘っている土地で、宝石商人ホーへフェーンがペストで死に、すぐさま埋葬された。
しかし翌日彼は、自宅の金庫室で窒息寸前で発見される。
画家レンブラントの息子ティトゥスと、記憶を失ったナンドは、その事件に巻き込まれる。
不思議な世界の話のよう。
湿気と闘いながら、記憶がない事すらもあまり気にしていないナンドが、あっけらかんと生きている様子が、とても面白い。そして次々と興味をそそることが起こる。
表紙の様子から、ペスト医師と外科医たちの人体解剖にかかわる話かと思ってたら、全く違う方向へ誘われていく。
最後ナンドはどうなったのかがとても気になり、しばらく考え込む羽目になる。すっかり取り込まれていた。
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2018年08月30日 読了
刀を持つと人格が変わる手習いの師匠・蓮十郎に、かつて剣を習っていた旗本の次男・市之丞から幽霊を斬ってほしいと依頼がくる。
断られないよう、子供たちをも巻き込むという念の入れよう。
蓮十郎が幽霊を退治するまで、子供たちは江戸を離れることになったのだが。
お多恵ちゃんの思いが江戸を離れてもついてくる。
今回はいつもと何かが違うと感じる皆は、やがてお多恵ちゃんの思惑に気付く。
これでお多恵ちゃんの力も消え失せるのか。
何とか解決はしたし、普通ならこれで完結するはずなのに、続きが気になって仕方ない。
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