2015年11月09日 読了
15年前から羽根藩に仕官している多聞隼人は、鬼隼人と呼ばれ、成り上がりで、領民にも嫌われ、仲間の武士からも軽んじられる。
しかし彼には、誰にも言わない「この藩にいる理由」があった。
かつてこの藩で負った深い傷を誰にも見せず、ただ藩主が名君かを見極めるためだけに生きた。
その生きざまを潔いと言うかどうかはわからないけど、最初からどことなく悲しみが見え隠れしていたせいか妙に納得した。
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読書と手芸の記録
2015年11月09日 読了
15年前から羽根藩に仕官している多聞隼人は、鬼隼人と呼ばれ、成り上がりで、領民にも嫌われ、仲間の武士からも軽んじられる。
しかし彼には、誰にも言わない「この藩にいる理由」があった。
かつてこの藩で負った深い傷を誰にも見せず、ただ藩主が名君かを見極めるためだけに生きた。
その生きざまを潔いと言うかどうかはわからないけど、最初からどことなく悲しみが見え隠れしていたせいか妙に納得した。
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2015年10月31日 読了
天涯孤独の少年・トビーは、食堂の主に買われてひどい待遇で働かされていた時、仲間に誘われて軍隊に入る。そこで軍艦に乗ったトビーは戦で供を失い、漂流しているところをセント・イージス号に拾われた。
セント・イージス号では、何もかもが初めての体験だった。
人間らしい扱い、望めば与えられる教育。そしてセント・イージス号の秘密。
トビーが学びによってどんどん変わり、自分の意志と目標を持ち始め、不思議な海の生き物を操る少女に魅かれていく。前半の暗い様子とは打って変わり、セント・イージス号にかかわる者たちの充実感が力強くて気持ちがいい。
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2015年10月06日 読了
両親を救うために先を急ぐ劉欣。後を追いつつ治療もする王弁と僕僕。だが、その途中で王弁は不治の病を得たタシという少女と出会う。病の理由がわからず悩む王弁と、それを見守る僕僕。
旅の仲間の幾人かと別れ、また静かな旅路となるかと思いきや、以前の様子とは全く違う。なんだか僕僕の魅力があまり語られず、王弁も普通の悩める青年となってしまって物足りない。
そして劉欣の戦いは山場となる割にあっさりと決着がついた。
むしろ王弁の治療よりそちらを軸に置いてほしかった。
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2015年10月03日 読了
残業をすれば会社も従業員も税金をとられるという「残業税」が導入され、10年ほどたった。
残業税調査官・矢島と労働基準監督官・西川がコンビを組み、悪質な荷重労働や税金逃れに挑む。
思い切った税制度がだ、これはこれでおもしろい。
働き方を考えるのが流行りの今、仕事が趣味という人の意見も聞いてみたいと思う。
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2015年09月21日 読了
鍛冶の里で育ったキリヒトは、その訓練を終えて最古の図書館の主へ仕えるため里を下りた。
「高い塔の魔女」と呼ばれるその主・マツリカは、古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせる。
政治の謀などに話が及ぶととたんに難解に感じたが、マツリカ達との関係が深まるにつれ、どんどん興味がわいてくる。
650ページもある分厚い本が、頼もしく見えるほど。
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2015年09月12日 読了
都内の中学校で、少年が同級生を刺す事件が起こる。刺した少年は、取り調べで老人の様な声でおかしな話しをしたうえ逃げ出した。
そこに現れる祓い師・鬼龍光一。
さらに第二、第三の事件が起こり、みな14歳で老人の声と口調が共通点だった。
現実主義のはずの刑事・富野が、祓い師というオカルトなことを生業としている鬼龍と協力して事件をさぐる。
信じてないけどああるのかもしれない現象が、どこまで受け入れられるか。
楽しめた。
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2015年09月07日 読了
なぜか人に話しかけられやすく、またどんな人の話を聞くのも苦ではないという主人公の柏木君には、聴き屋という二つ名がある。
そのせいでいろんな話が集まり、謎解きに使われていた。
今回は罰ゲームで告白したらOKをもらってしまった男子学生の話や、桜の下で行われたフリマの会場でサークルメンバーと本気のかくれんぼをしたり、音楽学科の定期演奏会で舞台を泡だらけにした犯人とそのワケについてなど、誰も嫌な気分にならない事ばかりで安心して読める。
日常の謎をやたら大げさに事件にするようなものとは違い、やんわりと謎が出て、なんだそれはこうゆうことだよと解説するような穏やかさで納得させてくれる。
人や謎が彼に集まる理由がわかる。
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2015年08月26日 読了
〈仙人蓋〉と言われる危険な薬が出回っていると聞き、調査を始める若宮。
その手伝いに駆り出された北家郷長のぼんくら次男坊・雪哉は、最果ての地で恐ろしいものを見る。
妻を決めてその地位も確かなものになった若宮だが、その身は相変わらず危険に近く、また自ら危険に向かって行く若宮にはらはらする周囲。
今回は山内の存続の危機に、立場の違う者たちが協力する話だが、ここで八咫烏ではない本物の『人間』の存在が見えてきてしまった。
人ではない者たちの話が急に現実と接してきたために、そこでこの世界観に浸れずに覚めてしまう。
雪哉の行く末と断ち切れない若宮との縁は気になるが、くっきりと区別してきた世界との関わりはない方が良いと思う。
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2015年08月16日 読了
「来世で何になりたいか。宴が終わるまでに決めよ」
若だんなが長く寝付くので、あちこちの神様にお供えしてきっちりお願いをしようとして、離れの者たちは神を呼び出すことにした。
罰当たりなことすら平気でする人ではない者たちに振り回され、若だんなはまた困る事になる。
妖になりたい人、人になりたい付喪神、親になりたいと願う石女。
ないものねだりの者たちを前に若だんなは、許嫁も決まって人並みに働きたいのに体が動かないもどかしさを知恵で補う。
安定のシリーズ。
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2015年08月04日 読了
第3回アガサ・クリスティー賞受賞作。
時効まであと2時間となったこの日、15年前の事件の告白をしたいと、同じ大学のゼミ仲間の龍太がやってきた。
雪で閉ざされた山荘で、弥生を毒殺したのは誰か。。。
スタンダードなミステリー。
とても解り易く、流れも手順通り。殺人とトリックの魅せ方、謎解きの流れなど、馴染みのある作りで安心できる。
山荘の管理人が毒物を特定した証拠や根拠に、説得力がまるでなかったのが残念だけど、最後まで細工がされていたり、偶然を当てにしない計画的な殺人のはずだったのに、実際は偶然が重なったおかげでできたことだったといった、きわどい奇跡のような部分は面白かった。
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