迷宮のファンダンゴ


2013年01月22日 読了
 『水上のパッサカリア』続編
主人公の勉がアメリカのキャンプにいたころ、初めて抱いた女であるマリアンが、日本に来ていた。
交通事故に巻き込まれ入院しているというニュースを見て、一度のつもりで顔を見に行ったのだが、その直後、彼女は病院から姿を消す。

 相変わらず一文が長くて読みにくい面もあるが、勉の頭の中の流れがよくわかる。
誰しもそう論理的に考えを巡らしているわけではない。
巻き添えを食う形でまたもやハードボイルドにはまる勉。
慣れてしまえば入りこめるが、好き嫌いが激しく出そうな作品。

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漱石先生の事件簿 猫の巻


2013年01月18日 読了
 英語の先生である漱石先生のところで、書生をすることになった主人公。
先生はかなりの癇癪持ちで変人、訪ねてくる友人もおかしな人ばかり。
そんな中、探偵小説好きの書生は、先生の家で起こる怪事件を推理する。

 あの有名な書き出しを、知らぬ人はいない。
その漱石先生の家で起こる、名前のない猫も巻き込んだミステリー。
パロディとして、こんなに上手におもしろく話がまとまるとは。
大きな謎でも事件でもないけど、それぞれの個性がとてもよく出ていておもしろかった。

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ZONE 豊洲署刑事・岩倉梓


2013年01月12日 読了
 東京都江東区豊洲にある豊洲署の生活安全課の刑事・岩倉梓のところにやってくる仕事は様々。
 ネグレクトや詐欺、孤独死などの、一つ一つは事件になるかならないかといったことばかり。自分に自信がなく、気落ちしがちな梓は、事件性がなくて早く切り上げるべきそれぞれの問題を、追及してしまう。

 同僚は大きな事件の担当をしているのに、梓がいま携わっている問題は小さなことだと焦ったりしながらも、気になることを放ってはおけない。
それが功を成す彼女をしっかりと見つめる上司。
 大げさな煽り文句があったけど、割と普通な刑事ものだった。

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眠りの森


2013年01月04日 読了
 あるバレエ団の事務所に男が侵入し、そこで殺された。
犯人はバレリーナで、正当防衛の可能性が高い。

 ところが、そこから先が一向に進まず、次々に事件が重なる。
加賀は捜査をしながら、ある愛らしいバレリーナに目と心を奪われる。

 加賀の事件。加賀が恋をする。
いろんなところに伏線が潜み、後で何度も見返すことになるので、充実していた。

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嘘をもうひとつだけ


2012年12月31日 読了
 刑事の加賀が、わずかな不自然や違和感から事件を解き明かす。
読み終わって気づいたが、「新参者」の加賀だった。

 短編集なのでちょっと簡単すぎる気がしたけど、疑わしい人物の言動を一つ一つ突いてくるので納得ができる。
 最後の「友の助言」が切ない。

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ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち


2012年12月26日 読了
 北鎌倉に、ひっそりとある古書店。
そこには、美しいが人見知りの店主がいる。

 かなり話題になっていたので読みたいと思っていた本。
本についての、とりわけ古い本については、興味をそそる話が出てくるのでおもしろいが、それ以外はラノベらしく軽い。
 ストーリーを楽しむというより、「古書」を楽しむために読む本。

スタンダップダブル!


2012年12月23日 読了
 北海道の弱小高校野球チームが、予選を勝ち抜いていく。
その試合を見た新聞記者の絵里は、不思議なものを見た。まるで、最初から打球の行方が分かっているような守備。

 野球好きならもっと楽しめるだろう。
選手たちのこれまでの人生が、これほどの意思を生み、力になってくれる人を自然と引き寄せていく。
 頼もしいうえにスカッとする。

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ハチミツ


2012年12月17日 読了
 三姉妹は、母親がそれぞれ違う。
だけど仲良しで、どうしようもなくだらしない父親と共に暮らしている。
 それぞれの悩みを全員が持ち寄りながら。。。

 基本的に主人公は三女の杏だが、時々視点が入れ替わり、戸惑う場面もある。
誰もがしっかりしなきゃと思いながら考えていき、それを他の二人はちゃんと見守っている。そしてなぜか父親も憎めない。
 読みやすくて淡々としていて、優しいお話。

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我ニ救国ノ策アリ 佐久間象山向天記


2012年12月16日 読了
 幕末、日本国を守るためには欧米の技を知り、海を守るべきだと説いて大砲を作らせた男、佐久間象山の物語。

 力強く、何があっても屈せず、国のための戦略を考え続けた象山は、敵も多かったが庇護するものも多かった。
 彼の考えていることが奇策にしか思えない者たちとの戦いが、かなり駆け足で描かれている。
 晩年に考えていた空の守りなど、もう少し時間があればきっと成し得ていたに違いない。

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