東京バンドワゴン


2009年10月16日 読了
 玄関を中心にして古書店と喫茶店を営む堀田家。
一家の大黒柱を中心に4世代が住む大家族。

 語り手は幽霊のおばぁちゃんというのも面白い。登場人物の多さに最初は戸惑うけれど、個性がしっかりしているのですぐになじめる。

 ドタバタがじんわり暖かい。章ごとに話は完結するのだが、これだけの人の多さを短い話の中でまんべんなく全員を登場させ、影の薄い人物がいないうえに混乱させない。

 古書店というところ、子供たちの名前が色の名であるということ、、、。私の好きなポイントがよけいにひきつけられた。

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東京バンドワゴン [ 小路幸也 ]
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HEARTBEAT


2009年09月24日 読了
 10年後の午前10時に、この場所で。。。

 一昔前に流行ったような青春の約束。その約束を果たすためにニューヨークの<暗闇>から戻ってきた。そのはず。。

 交差する二つのストーリー、それがどんなふうに織り合うのか。
そこまではよくある話だけど、謎が思いもかけないものばかりでなかなかおもしろい。
 登場人物がとても素敵で、3時間ほどで読めてしまった。すごく引き込まれ、集中して読んでいたけれど、結末をもうちょっとリアルにしてほしかった。そこだけが残念。

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配達あかずきん


2009年09月24日 読了
 駅ビルの中にある本屋さんで働く杏子。仕事の中で起こる不思議がいつしか謎解きに。。。

 本屋が舞台で、ミステリーで、もちろん本がきっかけで。
本好きにはたまらない設定。しかもちゃんと恋愛も絡んできて。

 懐かしくてちょっと甘い後味が残り、少しずつ薄れるそれをできるだけゆっくりにしたい。初めて見た和菓子を食べたような感覚で、ゆったりな感覚になれる。

まんまこと


2009年09月17日 読了
 江戸の町名主、高橋宗右衛門の息子麻之助と、その幼馴染たちの物語。
 町で起こる、奉行所に持ち込むほどでもないもめごとを解決する仕事を手伝い始めた麻之助が、大層『お気楽』な性格からくるひらめきで解決していく。

 文も、構成も、全部やっぱり畠中恵。
こちらは「しゃばけ」と違って妖怪は出てこないが、雰囲気は同じなので読みやすい。

 新シリーズらしい。

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まんまこと [ 畠中 恵 ]
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野良女


2009年09月15日 読了
 流行りのアラサー、30前後。
そんな娘たち5人の、なんだか散々な恋愛物語。

 あけっぴろげすぎて下品な所がまっさきに目立つので、不愉快に思うけれど、だんだんそんなこと言ってられなくなってくる。
 あまりにもリアルで、たぶんどんな恋愛もどれかに当てはまるんじゃないかと思えるほど。
 
 救いがないのかと思うような彼女らが、「どことなく挫けない強さを誰かからもらえるから」、みたいな曖昧な励ましで乗り切り、最後には「何も残ってないけど何かやらなきゃ」と思える。

 ざくざく読め、不思議と共感もし、根拠のないやる気が出てきた。

 おもしろいパワーのある本。

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野良女 [ 宮木あや子 ]
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仏果を得ず


2009年09月14日 読了
 人形浄瑠璃の世界。文楽に賭ける若手大夫の情熱と恋と人間関係。

 文楽?仏果?聞いたことあるけどなんだっけ。
といった程度だったけれど、読んでいるうちにしっかり取りこまれてしまった。
 どちらかというと主人公より周りの人たちのほうが魅力がある。だから誰からも目が離せない。

 「長生きしたい」と思えるほどのめり込める世界があるのはとてもうらやましい。

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白夜街道


2009年09月03日 読了
 元KGBの殺し屋・ヴィクトルが4年ぶりに来日した。連絡を受けた倉島警部補は、その目的を調べ始めた。テロか、犯罪か。

 足取りを追うためにロシアに渡った倉島たちの前で起こる銃撃戦。

 「曙光の街」の続編といえるこの作品。日常を離れ、公安やテロリストたちの世界に浸る。白夜を見た事はないけれど、その舞台はさらなる幻想へと導いてくれる。
 テロリストなのに、ヴィクトルは誰からも憎まれることがない。
その不思議さもおもしろい。

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白夜街道 [ 今野 敏 ]
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ロンド・カプリチオーソ


2009年08月09日 読了
 「しばらくのあいだ、新宿西口には近寄らないで」。。。

 バーでピアノを弾いている主人公、タクトは、不思議な力を持つ彼女に忠告された危険をあえて呼び込んだ。

 サントリーミステリー大賞受賞作『セカンド・サイト』の主人公がまた走り回る。
 前作ではキャバクラのボーイだったから、始めは主人公が同じ人物だと気づかなかった。でも相変わらずの行動力、そして触れたものの未来の「ビジョン」を感じる彼女、花梨。
 
 今回もアブナイ人たちを相手に大立ち回り。
前回同様の行動力と、特別な存在である彼女に少し困惑している様が生々しくていい。
 そしてなにより存在感のある友人アキラの力添えも大きかった。
 個人的にはアキラが一番魅力的。躍動感のあるストーリーになっているのは彼の存在のおかげだと思う。
 
 彼女の存在がちょっと曖昧で無意味に思えてしまったことと、最後がなんだか尻切れトンボではあったけれど、それは次回を待てということか?
 
 待ってやろうじゃないの。

シューカツ!


2009年08月04日 読了
 婚活やら就活やら、なにかにつけ準備運動を求められる今、それを戦い抜く主人公たちの一部始終をのぞき見たという感触。

 割と有名な大学の3年生。仲良しの7人で作ったシューカツプロジェクトチーム。
彼らの1年を、素直な心の動きで綴ったこの本は、力強い後味を残してくれた。
 私自信は、これほどまでの戦いをしてきてはいないから、就職活動の中身についてどのくらいリアルなのか評価できないけれど、今度は試験官の人たちの話を読んでみたいなぁ。

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シューカツ! [ 石田 衣良 ]
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シャドウ


2009年07月30日 読了
 母が癌でこの世を去った。父と二人の生活が始まって数日後、幼馴染の母親が自殺する。そして幼馴染も事故に遭い、父までもが精神を病んでしまった。

 どこまでも続くかのような不幸のなかに見え隠れする狂気。登場人物それぞれの目線で語られる出来事は、リアルだが時間が錯綜してわかりにくい場面もあった。
 それでもとめどなく流れ出てくる抑えきれない感情に巻き込まれ、読む手を止められない。途中で休憩でも入れたら時間と事実の流れがわからなくなりそうだった。
 最後はいろんな事実が繋がってきて、いくつもの想像が裏切られたが、とても読み応えがあった。

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シャドウ (東京創元社・ミステリ・フロンティア) [ 道尾秀介 ]
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