2009年11月29日 読了
清水次郎長一家の小政を主人公に、親にうとまれ博徒一家に入り、喧嘩で身を立てつつ幼馴染の娘を生涯求めた男の生きざまを描く。
幕末の情勢が激変する時代、淡々と語られる小政の心の内は迷いを含むものながら堅く、常に愛か憎かを尋ねる。
「枯し紋次郎以降に初めて現われた次世代股旅物の傑作」と評されるものゆえに、時代小説としては「まっとうな」ものなのだろう。
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読書と編み物の記録
2009年本文作成
2009年11月29日 読了
清水次郎長一家の小政を主人公に、親にうとまれ博徒一家に入り、喧嘩で身を立てつつ幼馴染の娘を生涯求めた男の生きざまを描く。
幕末の情勢が激変する時代、淡々と語られる小政の心の内は迷いを含むものながら堅く、常に愛か憎かを尋ねる。
「枯し紋次郎以降に初めて現われた次世代股旅物の傑作」と評されるものゆえに、時代小説としては「まっとうな」ものなのだろう。
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2009年11月26日 読了
ビルの最上階の顧客管理部<特別室>に勤務する主人公。
たったひとりの身内である妹から結婚するという手紙を受け取る。
しかし彼女は突然、携帯も財布も持たず、鍵すら置いて姿を消した。。。
妹とその婚約者を探し、いろんな人に助けられながら掴む真実。
この人の本は設定がとてもおもしろい。
苦しい過去もなぜか柔らかに語られているため、とげとげしい後味がまるでない。
今まで読んだ中では割とあっさりとした感じを受けたが、ここに自分の居場所を持ちたいと思って頑張っている人の背中をじっと見つめているような気分になった。
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2009年11月23日 読了
中高一環の女子校に通う中2の女の子。電車の中で痴漢から助けてくれた上級生に憧れて、ただただ目で追う毎日。
少女向け小説のテーマのような設定。あこがれの上級生の恋人が、「本当は生きていないんじゃないか」という疑問を抱く。
石田衣良氏が選考した作品。彼の作風にも似た、軽やかな語り口。そのため、後に残る余韻は少ない。
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2009年11月22日 読了
1986年に出版された作品の初文庫化。
次期家元の婚約発表の席で起こる事件?事故?
茶道と武士の心を持つ流派の、戦国の時代から続く思いが起こす一つの時代の終わり。
茶道の描写が、堅苦しくなく、しつこくなく、うんざりさせない。お手前を少しも見た事がないという人は少ないだろうから、全く想像できないということはないと思うし。
一旦解決したと思われたが、その時点でまだページは1/3が残っていた。残る疑問をこちらにも確かに抱かせ、推理させる。
脇役も心に残り、爽やかな後味。
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2009年11月21日 読了
晴れた寒い日に日向ぼっこをしながら読むのに最適な本。
なぜなら綴られる4編はいつも四季を撫ぜ、冬の日で終わるから。
今回はGボーイズのキング、タカシが美しい余韻を残した。
暴力も苦しみも痛みも必ず入っているのに、例外なく救いが見えて終わる点もかわらず。
時間もかからず気軽に読めるけど、静かなところで読みたいと思うシリーズ。
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2009年11月17日 読了
大学教授で推理作家の主人公が、最近娶った妻とともに名探偵と化す。
絵画と歴史にまつわるミステリー。
実に細かい下調べと膨らむ一方の想像。テーマやツールはとても面白いけれど、ウンチクがやたら細かすぎて疲れてくる。
そこまでの描写は必要ないのではと思うほど。
名探偵のはずの主人公が実はワトソン役にぴったりだったりと、コミカルな面もあった。
でも疲れた。
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2009年11月08日 読了
どこからか届く声。1日だけ消える子供たち。
それは遠く離れていても話ができて、どこか別のところへ行ってしまった人たちを引き戻す事が出来る、力を持った子供たち。
ファンタジーともミステリともとれる、子供の頃にだけある力っていう話はよくあるけれど、それが美しくリアルですがすがしい。
むやみに追いつめられないし、意思も覚悟もちゃんと子供目線。
この人の作品には、仲間との力強いつながりをいつも感じます。
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2009年11月08日 読了
横溝正史賞大賞受賞作
ヒトからの進化。新しい生物。
ベトナム難民船から救出された女性が生んだ子供たちの行く末を描く。
テーマに興味をひかれたし、しっかりとした文体のため集中して読める。
でもせっかく興味深い内容で人物もおもしろいのに、専門的な説明のほうに重点を置いている気がした。そのため万人受けはしないのでは?
もう少し人物にも重みがほしかった。
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2009年11月07日 読了
差し出された小説の原稿に描かれたミステリ。
眠くならず、喉も乾かず、尿意さえもよおさない。出口のない部屋。
いくつかの複線が少しずつ語られ、次第に繋がっていく。
後味は、なんとも気持ちの悪いものだった。
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2009年11月03日 読了
所帯は小さいが、顔の広いオヤジがいるヤクザ。
そのヤクザが学校の運営をする羽目になった。
問題を探し、一つ一つ解決していく。
ありがちなテーマだし簡単にコトは進むけど、その何事もするりとかわすような語り口が面白くて止まらない。
あっという間に読み終えられる。本のボリュームの割には気楽に手に取れる内容。
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