雨だれの標本 紅雲町珈琲屋こよみ


 雨の続く梅雨、お草が営む珈琲豆と和食器の店・小蔵屋では、ゴミが荒らされる日が続いた。
黒い自転車で走り去る人影を目撃して怖くなっていたが、お草はある日散歩の途中である小屋の隅で自分のゴミを見つける。
さらに、小蔵屋がある映画の撮影予定地となり、噂を聞きつけた近所の人たちの注目の的になってしまう。
だが監督と面会すると、彼はお草に頼み語ををした。
ある人物を探してほしいと。

 小蔵屋の周りがまた騒々しくなる。
不審者の素性はすぐにわかるが、それでも騒動は収まらず、久美と一ノ瀬の問題にまで発展し、お草は心が休まる日はない。
それでも毎日暮らしていかなければならず、お草は思うようにいかなくなってくる体と共に静かに祈り、でもちゃんと行動を起こす。
今回は一つ一ノ瀬が大きな決断をし、ふわりとした気分で終われると思ったら、なんだか賑やかだった。

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