2015年01月28日 読了
少しづつ鼓動が弱まっているような、さびれゆく町。
その町の美術館館長として赴任してきた父子の身近で、18年前に死んだはずの少年から絵葉書が届いた人たちが困惑する。
有名な画家の絵を模して書かれた、一目で書き手がわかる絵。
それらからは、18年前の町の人々の思いだけではなく、一人の郵便局員の不気味な行動も見えてくる。
話の一つ一つが、その頃の出来事と気持ちを解きほぐし、新しい関係を紡いでゆく。
仄暗い過去の事件が見えてくる中、ほのぼのと暖かい父子のやり取りがふわりと空気を換えていて暗くなりすぎない。絵にも興味が持てる。
これまでの作者の本の中では読みやすいが、それが物足りなく感じる。
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