2012年07月07日 読了
大手の出版社に勤める彰彦は、もうほとんど過去の作家となった人の新作を、偶然読んだ。
それから、NOとしか言わない編集長や会社を説き伏せにかかる。
本を作ることの大変さと、本に対する愛情を描いた本。
以前の、書店員の話はイマイチだったが、これは面白かった。
この人が書くものはやっぱり、本の話である。
落ち目の作家が書いた小説は、乾いたシロツメクサの上に降る、雨。
誰かに届き、心を潤す雨となる。まさにそんな本となった。
雨の季節に読むには最適だった。
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