2014年11月10日 読了
捨て子だったデイスは、優しい姉と両親に愛されて育った。
ある日山で、たくさんの星々が詰まった肩留めを拾い、そして少しづつ思い出す。
かつて、大地の力を持つ魔道師イザーカト九きょうだいといえば、コンスル帝国の近衛魔導師として強大な力と信頼を持っていた。しかし度重なる戦争による精神の疲労で兄弟の絆は崩れ、愛ゆえの憎しみにより一人の魔導師が闇に落ちる。その闇を、再び生まれなおした兄弟たちが決着をつけに蘇る。
3百年をかけた壮大な兄弟げんか。
しかし、禍々しい霧、足元も見えない闇、身体が引きちぎられるような絶望の描写が並んだと思えば、次は息苦しいほどの緑や小鳥の小言、空や星々の歌までを清浄な空気の中で表現する。
その描き方は、読んでいるこちらが呼吸する空気までもがその世界の色をしている気がするほど。引き込まれた。
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