2015年03月22日 読了
盗掘で生計を立てている男に拾われて墓荒らしをしていた十五歳の少年・小旋風(しょうせんぷう)は、ある日美しい少女の墓で一つの琴を見つける。
ところがその琴を掴んで脱出しようとしたとき、落盤事故で養父は死んでしまい、自由になった小旋風は琴を売って貧困から抜け出そうと、様々な策を練る。
いつしか国のトップを決める争いに、その琴と共に巻き込まれる小旋風。
小柄で身軽という設定の小旋風にぴったりの軽やかな語り口で、なじみのない名前や表現などに流れを止められることなく読めた。
最後の大勝負にはもう少し情景描写があっても良かったなと思うけど、名前の通りつむじ風のように終わる。
ただ、結局その琴の事、生きた死体である少女の事、それにそっくりの猛縶の外見については謎のままで、読み終えた後も不思議な余韻が残る。
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