2017年02月18日 読了
花簪職人の忠吉は、修行をしていた師匠が急死した後、店を追い出された。
長屋の店賃も払えなくなり、露頭に迷った忠吉を、幼馴染で僧侶となった大吉に拾われ、幼い頃過ごした寺に厄介になることになった。
寺男としての仕事と、「話を聞く」仕事をすることを条件に。
自分から働きかけることが下手で、煮え切らず、口下手で頼りないという情けない主人公だが、得意とする花簪で人の心を解きほぐそうと苦心する。
忠吉の代わりに怒り、行動する大吉と、二人を導く和尚、そして小さなさちとそらがこの物語に深みを持たせているが、忠吉は主人公の癖にあまりに何もない。簪と同じ小道具くらいにしか感じられない。
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