2015年07月18日 読了
お笑いを目指す若者・徳永が、ある時出会った先輩・神谷の弟子にしてもらう。
神谷は奇天烈な思い付きで天才的な笑いを生み、その哲学にも信念がある。そして神谷は弟子になった徳永に「俺の伝記を書け」と命じる。
神谷の人柄に嫌悪感がぬぐえず、前半はさして面白くもないまま進む。
しかしそのうち、神谷という、お笑いには天才だけどそれ以外はクズな人の頭の中を表現する面白さが出てくる。
そして自分の意志で言いなりになる主人公が、自ら奈落へはまり込む神谷をそのまま見つめる。
古典的な表現が読みにくさを誘うかと思ったが、引っかかるところもなく集中でき、後味もさっぱりしていて短時間で読める。
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