2017年06月11日 読了
江戸・神田三河町で小児科医をしている天野三哲。
無精髭とひっつめただけの縮れ髪、着物も気崩して「めんどくせぇ」が口癖の、近所でも評判の藪医者だった。
娘のおゆん、押しかけ弟子の次郎助、凄腕産婆のお亀婆さん、昔は武士だったという薬種商でイケメンの佐吉。個性豊かな面々が賑やかに周りを囲む。
表紙の怪訝そうなおゆんの目が印象的。
いい加減そうな口調でも実はちゃんとしたことを言っていたり、子供を見て親を叱る三哲が、だんだん名医に見えてくる。
ありがちではあるが、当時の医学や家族の在り方なんかも含め、じっくり読める。
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