シャルロットの憂鬱


2017年06月09日 読了
 警察犬を引退した雌のジャーマンシェパードのシャルロット。
子供のいない夫婦の家で暮らすことになり、犬を飼うことが初めての人間とゆるく幸せな生活を送り始める。

 主人公は人間で、犬の不思議を様々に描きながらも、シャルロットの表情豊かな感情をうまく描いていて、犬の行動を知っている者には納得のことばかり。
ご近所トラブルも野良猫問題も、家出娘も全部引き受ける器の大きさと、他の犬にはめっぽう気弱なギャップがかわいい。
ストーリーも、だんだん気を許してくるシャルロットの行動が面白く、相手の気持ちを汲み取ろうとするお互いの様子が微笑ましい。
そして、夫の鋭い観察力と推理力がチクリと気を引き締める素材となっていてだらけない。
 でも、最後の話はなんだか曖昧ですっきりしない。
せっかくテンポよく楽しく進んできていたのに、最後でぼんやりしたイメージが残るのが残念。

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