2017年02月08日 読了
新大陸で澄香を決めたヴィクトリカと一弥。
家具をくれるというご近所さんのところを尋ねると、玄関には謎かけのチェス盤があった。
謎を解き、家人のおばあさんに招かれると、悪戯好きな建築家だったという夫の話をしてくれた。
その悪戯好きな建築家が残した、セントラルパークの謎を、ヴィクトリカたちは追う。
パズル的な要素が多かった今回は、いつもよりも軽かった。
ヴィクトリカと一弥のくだらない掛け合いも、微笑ましいというより引く。
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読書と手芸の記録
2017年02月08日 読了
新大陸で澄香を決めたヴィクトリカと一弥。
家具をくれるというご近所さんのところを尋ねると、玄関には謎かけのチェス盤があった。
謎を解き、家人のおばあさんに招かれると、悪戯好きな建築家だったという夫の話をしてくれた。
その悪戯好きな建築家が残した、セントラルパークの謎を、ヴィクトリカたちは追う。
パズル的な要素が多かった今回は、いつもよりも軽かった。
ヴィクトリカと一弥のくだらない掛け合いも、微笑ましいというより引く。
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2017年02月05日 読了
第10回『幽』文学賞短篇部門大賞受賞。
夫を事故で無くし、義母から「人殺し」と罵られることから逃げ続けている柚子は、夜な夜な不定期に訪れる異世界の人々と闇の取引をしていた。
暗く静かな語り口で、大きな恐怖はないけどうすら寒い夜の出来事を描いている。
薄汚れた着物を着、判別しにくい言葉を話す闇の者たちが欲しがるのは、こちらの世界ではありふれていて、ゴミとして捨てられるもの。
価値観の違いから成立し、時に恐怖を感じることもあるのにやめられない取引。
現実から離れた世界へ引きずられる感じがリアルで恐ろしい。
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2017年02月03日 読了
父とふたり暮らしのおみつは、最近父の様子がおかしいと思っていた。
おとなしくて真面目で、口数も少ないいつもの父が、ある時ふと違う顔をするのだ。
瓦版のよみ売りをしている才助は、このところ瓦版に書かれたことと似た事が起こっていることに奇妙なものを感じていた。
その瓦版を描いている元武士の青山に相談し、探りはじめたところ、おみつの父の甚助が捕らえられる。
幼いおみつの心を細かく描写してあり、心が痛む。
いたたまれない結末だが、決して暗くはないため、希望も見えた。
所々で端折ってある設定は、前作があったためだろうか。
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2017年02月02日 読了
15で親に死なれ、奉公先でいじめられた主人公の結は、長屋で首をくくろうとしたところを元芸者で今は髪結いをしているお夕に助けられる。
それから結は自分の不器用さを恨みつつも髪結いの修行に励んでいた。
まだ世間知らずな結に、お夕は髪結いの技だけでなく人生を教える。
始めはすぐに謝ってばかりいた結も、次第に自分の考えを言えるようになり、生きる意味を見出していく様が微笑ましい。
お夕の強さにも惹かれる。
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2017年01月31日 読了
我が家の、ささやかな問題。
『夫は仕事ができないらしい』と気づいた妻が、会社で嘲笑される夫をなんとか元気づけようとする。
新婚なのに家に帰りたくない夫や、急にUFOが見えると言い始めた夫など。
大事ではないけど、家族にとっては大問題な出来事を、深刻にならずになんとか解決しようとする家族の話。
みんなすごく前向きで、そんな方法もあるのかと思わず唸る。
大げんかになったり、離婚にまで発展するんじゃないかというような事にも、ちゃんと向き合う主人公たち。
それがとても面白い解決法で、嘘くさくならずに明るく行動する人たちばかりで、根本的な解決じゃなくても、いい方向へ向かって行けるんじゃないかと思わせる。
気分が明るくなる。
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2017年01月27日 読了
限界集落となりつつある阿形県賀条郡晴太多(はれただ)。
観光名所も温泉もない、ただの田舎を再生するために若者たちが立ち上がる。
かつてここで育った幼馴染たちが、故郷のために様々な知恵を出しながら住民を増やそうとする物語。
2時間足らずで読めてしまう。
色んな問題を抱えた人たちが集まるわりに、軽めで薄い内容。
身内にばかりひたすら善人の、うすら寒い話が増えた作者。
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2017年01月26日 読了
第26回鮎川哲也賞受賞作
航空機の歴史を変えた小型飛行船“ジェリーフィッシュ”のテスト飛行中、乗組員全員が死亡するという事故が起こった。
開発者も技術者も死亡したため、軍事秘密である“ジェリーフィッシュ”には謎が多く、事故機は軍があっという間に回収していったため証拠も少ない。
王道のミステリー。
いくつもの死体があり、つじつまが合わない事象が多く、秘密も多い。
解り易いミステリーだけど、面白くて一気に読んだ。
“ジェリーフィッシュ”の神秘性がまた魅力的。
最後がちょっと納得いかない。
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2017年01月21日 読了
伊良部一郎、第3弾。
特に何もしていないのになぜか問題が解決している不思議な神経科の医師。
だけど今回はなんだか消化不良。
なんだこれからもこのままなのか、というような終わりがいくつかあり、まるで途中で飽きてしまったかのような終わり方。
タイトルの「町長選挙」も、不愉快な場面ばかりで結局そのまま。
伊良部の天啓の様なセリフはいくつか出てくるし、今回はマユミも核心をつくが、それよりも曖昧さが大きかったためか満足感は少なかった。
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2017年01月21日 読了
北千住で喫茶店〈弓島珈琲〉を営むダイは現在53歳。
仲間と共に静かな日々を送っていたが、ある日、友人の息子・智一が家出したと連絡が入る。
仲間たちと探し始めるが、智一と同じ学校で不登校がちの村藤瑠璃が、家族に怪我をさせて行方不明になっているという情報が入る。
仲間に対してはどこまでも信頼し、何をおいても助け、集まればいつでも昔の様な関係に戻れるダイたち。
それはとても仲間思いで強い絆を表しているけど、どうしても嫌悪感が湧いてきた。
仲間以外はどうでもいいというような、仲間を傷つけた者には障害が残る傷をおわせても良いという考え。
穏やかに語られるため凄惨な雰囲気はないが、よく考えたら犯罪であるようなひどいこともしている。
とても狭い世界でのみ心地よい仲間意識。
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2017年01月18日 読了
上流階級第二弾!
富久丸百貨店の外商員として仕事が面白くなってきた主人公の鮫島静緒。
ゲイの桝家とのシェアは続いているが、そろそろ期限の1年が迫ってきていた。
そんな時、桝家の実の母だという女性が訪ねてくる。
今度もてんやわんや。
桝家の家の揉め事に巻き込まれそうになり、また仕事で提案した企画が通ってしまったりと、今度も息をつくのも忘れて読み切った。
よくあるお仕事モノとはちょっと違う雰囲気を纏っているので、「またか」というガッカリ感がない。
途中、考えさせられるところが多いので何度も読み返した。
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