2016年02月05日 読了
警部補の須藤は、怪我から復帰してから追いやられた部署で、総務部動植物管理係の薄(うすき)巡査と共に動物が関係する現場へと向かう。
被害者の飼っていたペットだったり、容疑者が預かっていた動物なんかの様子を見るうち、薄がヒラメキ、事件を解決する。
普段の薄のすっとんきょうな行動からは想像できないキレのよさで真相を見抜くギャップがおもしろい。
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読書と編み物の記録
2016年02月05日 読了
警部補の須藤は、怪我から復帰してから追いやられた部署で、総務部動植物管理係の薄(うすき)巡査と共に動物が関係する現場へと向かう。
被害者の飼っていたペットだったり、容疑者が預かっていた動物なんかの様子を見るうち、薄がヒラメキ、事件を解決する。
普段の薄のすっとんきょうな行動からは想像できないキレのよさで真相を見抜くギャップがおもしろい。
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2011年04月20日 読了
スパイ養成機関では、本名も素性も明かされることのない同期たちと、ひたすら過酷な訓練に明け暮れる。
本当にありそうな気がしてくる。
自分は何者を相手にし、何を成していかねばならないのか、悪い夢を見そうなミッションが、地下室に幽閉されているような気にさせる。
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死刑囚の父を持つ女子高生・優莉結衣が学校から児童養護施設へ帰ると、全寮制の矯正施設・塚越学園の学園長が訪ねてきていた。
見学のつもりで学園に向かう途中、武装集団に襲われ、気づいたら熱帯林の奇妙な<学校村落>にいた。そしておそらく、優衣と同じように拉致され連れてこられた生徒児童も700人くらい。
前回の事件のあと、奈々未と理恵の姉妹ともうまくやっていた優衣に襲い掛かる危機。今度は熱帯の島国で、武装集団の監視のもと、おかしな規律に支配された『学校』で、優衣はまたも命の危険にさらされる。
だんだん優衣の人間性が周りに伝わり、信頼を寄せる人も出てきた。
毎回披露される護身術とも武力ともいえる知識と技が、新鮮で刺激的。
優衣の精神状態にも興味がわいてくる。
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2019年11月15日 読了
優れた厨師を輩出することで有名な斉家村の斉鎌は、ある日茸を採りに入った山で出会った男かに鍋を借りた。しかしその鍋は、たびたび料理を作ってやらないと自分で獲物を捕りに行くという物騒な鍋だった。
里から、「返すまで帰ってくるな」と言われた斉鎌は、厨師として働きながら男を探して旅をする。
鍋のせいで一か所に留まれない斉鎌は、いろんな経験をする。
そして出会った人たちと縁を結びながら、自分の望みも見つけていった。
読み応えたっぷり。淡々と書かれているが、相当に刺激的で、出会う人々も奇妙で、次はどんな人やモノと出会うのかと楽しみになる。
ただ、ちょっと説明不足で分かりずらい部分があって、読み返すなどもあった。
最後はもうちょっときっちり書いてほしかったが、おとぎ話としては「匂わす」程度で想像を駆り立てるほうがいいのか。
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2019年11月08日 読了
江戸で、葬儀の段取りを生業とする颯太。
人手や提灯、棺桶、死に化粧から坊主まで一通りなんでもそろう「とむらい屋」。
その冷めた口ぶりには、人の生き死にを多く見てきたから故の思いがあった。
弔いは残された人のためにあるんだという颯太。
人死を金にすると、近所からは遠巻きにされる職業だが、人は必ず死ぬ。
序盤は割と退屈で、淡々と仕事をする颯太を強調していたが、やがて彼がなぜそんな仕事を選んだのかが明らかになって来る。
生きたから訪れる死であり、それらは繋がっているのに、この世とのつながりを切る死と、生きている人同士の繋がりの対比がくっきりとしていた。
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2019年10月16日 読了
倒れてから、残業を月20時間以内とする会社の規定が新たにできた。
そんな中、管理職に昇進した結衣は、新人教育を任されていたが、個性的すぎる新人たちに手を焼いていた。
そして今回も、ブラックな契約を強いるクライアントに頭を悩ませる。
今度は取引先がブラック。鳥肌の立つような内情を知るたび背筋が凍り、こんな敵と戦うことが企業戦士かと恐ろしくなる。
そして今回も、はっきりした目論見もないまま啖呵を切る結衣。
采配はちょっと厳しいものだったが、かえってスッキリした。
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2019年10月12日 読了
絶対に残業しないと決めている主人公・結衣。
入社試験の面接でも堂々とそう言い放った結衣は、1日の仕事をしっかり定時で終わらせ、近くの中華料理屋でビールを飲むのを楽しみとしていた。
そこへ、極端に安い値段で仕事を引き受け、メンバーの無理で仕事をこなしてきた上司が現れる。
ドラマを見てから読んだため、人物が彼らで思い浮かぶ。
仕事内容以外に心労が多い職場は想像するだけで胃が痛くなり、対処法すら思い浮かばない。
極端な人物ばかりだが、そんな考えを持つに至った理由も解り易いため、ただ嫌悪するということにはならない。
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2019年10月10日 読了
平安の頃、本朝始まって以来の凶事と安倍晴明が占った日に生まれた子がいた。
髪は赤く、彫りの深い顔立ちの桜暁丸は、自分たち以外をさげすむ京人達を憎んでいた。
第10回 角川春樹小説賞受賞作
様々な渾名で蔑まれていた京以外に住む者たちと共に、どんな生まれであれ皆同じ人だと言える世を作ろうとあがいた、桜暁丸の戦いの半生。
桜暁丸が誰であるかは後半で解るし、信念を持った戦いの描写は緊迫感がある。
ただ、つぶやきや心中を語る描写がややうざい。
この先を想像させる終わりも、これまでの力強さに比べると肩透かしを食らったように弱い。
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2019年10月05日 読了
推理作家の香月史郎は、後輩の結花に頼まれ、一緒に霊能者の城塚翡翠のところへ向かった。そこでの相談の後、結花は何物かに殺されてしまう。真相を確かめようと、霊媒だという翡翠と共に事件を追うことにした香月は、不思議な体験をすることになる。
警察に協力するという名目で、翡翠の力を借りていくつかの事件を解決する香月。
翡翠の挙動が嫌悪感を誘う。しかし最後にどんでん返しが待っていて、その理由が語られるのだが、これまでの悪印象を相殺する効果はなく、むしろ深まる。
読後感は嫌悪でいっぱいになり、我慢して読んだ後悔しかない。
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2019年09月27日 読了
かつて公儀の隠密であり、凄腕で有望と畏れられていた十蔵は、故合って寺子屋の師匠をしていた。ところが、藩の派閥争いに巻き込まれた加賀藩士の娘・千織を助けるために忍びの技を使ってしまう。
隠していた過去にいやおうなく連れ戻されるという筋書きはありふれているけど、寺子屋の子供たちのやんちゃぶりや、かつての仲間や頭である兄との関わりが、微笑ましく、勇ましく、頼もしい。
身を案じて離縁した妻も一風変わっていて、個性が強い面々ばかり。
楽しくて最後まで目が離せない。
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