2017年08月10日 読了
北斎の娘であり女絵師の葛飾応為。
幼いころから絵筆を握り、父の講釈に耳を傾けていた風変わりな娘が、次第に絵師として成長し、老いるまでの物語。
小言の多い母や、気持ちを素直に出せないまま終わった恋、そして姉の忘れ形見である甥の悪行に困らされ、絵師としての技術に悩む姿が迫るような圧迫感を持って身を寄せてくる。
残っている絵はわずかだという彼女の絵に興味が湧き、改めて表紙を見て息をのむ。
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読書と編み物の記録
2017年08月10日 読了
北斎の娘であり女絵師の葛飾応為。
幼いころから絵筆を握り、父の講釈に耳を傾けていた風変わりな娘が、次第に絵師として成長し、老いるまでの物語。
小言の多い母や、気持ちを素直に出せないまま終わった恋、そして姉の忘れ形見である甥の悪行に困らされ、絵師としての技術に悩む姿が迫るような圧迫感を持って身を寄せてくる。
残っている絵はわずかだという彼女の絵に興味が湧き、改めて表紙を見て息をのむ。
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2017年08月07日 読了
八代将軍徳川吉宗の時代。
一万五〇〇〇石の磐城湯長谷藩に隠し金山があるとの嫌疑がかかり、5日以内に参内せよとの命令が下る。
金も時間もない藩は、最小の規模で最速の参勤交代を開始する。
もっとドタバタのコメディかと思ったら、スピード感よりも道中出くわす出来事の一つ一つが印象的すぎて気が休まらない。
奇想天外な出来事と、ありえない展開が楽しかった。
映画も見てみたい。
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2017年08月03日 読了
祠にお参りするようになって、幽霊と出会うようになってからも、忠治たち4人はちっともおとなしくならず、ますます幽霊を探して勝手に動き回るようになる。
今度は空き家でかくれんぼをしていた時に出会った幽霊。
次に殺される者の名前を告げていく幽霊に、怖がりながらも興味が勝つ4人。
長屋の大家さんにどんなに小言を食らっても、何度も幽霊に会いに出かけ、そのたびに死体を見つけて帰って来る。
怖い話のはずなのに、間を置かずくすりと笑えるところがあるのでちっとも怖くない。
この4人の言動が、楽しくて仕方ない。
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2017年08月02日 読了
江戸から明治、大正、昭和までの、女たちの結婚。
生まれて半年で結婚相手が決まった加賀藩主前田斉広の三女・勇は、慣れない婚家で妊娠の兆候もなく、夫に側室を進めることに寂しさを感じていたが。。
時代が変わり、常識も良識も変わっていく中、女たちの結婚が変わっていく様子を描く。
苦しい日々も回想すれば満足のいく人生だったと静かに物思う彼女たちの物語は、悲壮感がなくて頼もしさすら感じる。
1つ目の物語で出てきた、「それでも死なぬものは死なぬ」というが一番心に残った。
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2017年07月28日 読了
源氏物語の「桐壺」~「賢木」までを、大塚の解説と共に追える。
解説が面白かった。
時代背景、その当時の人々の考え方、身に着ける物にまで、いろんな面で解説があり、源氏がした行動の意味や、なぜそんな言葉を選んたのかなどが書かれていて、興味深い部分が多い。
話自体は面白いと思えなかったが、その時代への興味はわいた。
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2017年07月23日 読了
母、娘、孫の3代が、それぞれの思いを胸に、伊勢へ参る。
旅の案内をする御師の久松に連れられ、道中ではスリや子供の抜け参り、許されぬ敵討ちをしようとしている浪人者と知り合いながら、江戸にいたのでは味わえない経験をしていく。
旅は、伯父の付き添いだったはずが一人で役目をこなすことになった久松の頼りなさでいきなり不安になる。しかし、3人それぞれの個性が出始めた頃、とたんに楽しい道中になり、最後は全て受け止める覚悟が皆それぞれできている。
久松が語る帰りの道中も聞いてみたい。
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2017年07月20日 読了
超能力が国により認められ、資格もある世界で、超能力を研究する者たちが狙われた。
ところがその技術者たちは、ひどい拷問を受けることになっても、ある部分の記憶が抜け落ちていた。消された記憶は何なのか、それを狙うのは何物か。
キャラの個性は強いけど、軽い。
おかげで深刻さもなくコメディとしてサクサク読める。
大きな事件のはずがさらりとあっという間に終わるために、”大戦争”というには物足りなさすぎて肩透かしを食う。
シリーズらしいがこの調子では興味はわかない。
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2017年07月19日 読了
浅草川の岸辺にある船宿、若狭屋で女将をしているお涼。
一風変わった性格のお涼は、ちょっと変わったことにも出会う。
狐憑きと噂される女郎、息子を探す山姥、祈り続ける男など、印象深い話がいくつかあるが、どれもほんの短い話。
時々怖い話のようでひやりとしても、粋な大人たちににやりとさせられる。
何があっても笑い飛ばせる強いお涼が頼もしい。
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2017年07月13日 読了
第7回本屋大賞第3位に選ばれた、柴田錬三郎賞受賞作。
押しに弱く、つい自分の意見が言えずに言われるがままされるがままの世之介が、大学進学のために東京に出てきてからの成り行き人生を描く。
どこかのんびり抜けている世之介の、流されっぱなしの毎日が行きつく先。
驚くような出来事もたまにあるのに、世之介はそれすら成り行きまかせ。
それならそれでいいのだが、所々入ってくる時代を超えた登場人物たちの回想や、主語がないからどんなふうにでも想像できる横やりが、もうどうでもいいやという感じの意味のなさ。
さして顔も覚えてないようなご近所さんの話を延々聞かされているようで、
面白くもなんともない、人の話。
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2017年07月10日 読了
俳人の与謝蕪村が出会う、不思議な話。
人から聞いた話、蕪村自身が出会った人外など、いくつかの短編が表紙の狐たちのように舞い踊っているような本。
短い話ばかりだけど、どれも優しい終わり方で、一つの物語に1,2行づつ、心がほわっとする分があり、思いのほか癒される。
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