偶然にして最悪の邂逅


 ふと気が付くと元号が変わっていた。
どうやら自分は殺されていたらしい。幽霊となっていた遊佐は、なぜだか急に起こされて戸惑う。
起こしたのはかつての教え子だった男。そいつはなぜか床の下に穴を掘っている。
どうやら死体を隠したいらしい。
 不思議な出会いからその男の身の上を聞くうち、自分の来し方を知る幽霊。

 自宅前で殴られた女性が警察にもひたすら隠そうとした事実。どうしても忘れられない教え子から頼まれた殺人。
面白い設定で起こる事件はなかなかに悲惨だが、語り口調の文体が軽い印象を残す。
その割に複雑だが、だんだん何を言っているのかわからなくなってくる。
どうでもいいようなことの言い合いを繰り返すためか。
終わってみれば何も記憶に残っていない。