母と相性ピッタリだから結婚しろと迫る変わり者の美早から、娘の加奈子にダイレクトメールが届く。釘を刺しておこうと訪ねると、友人だという薬膳の研究家を紹介された。そして、10年前に失踪した同級生の目撃情報が鎌倉周辺で増えているので調べてほしいという依頼を受ける。
なぜ今頃になって突然目撃情報が増えたのか、鎌倉の<探す会>に向かったが成果はなく、それどころかその夜、訪ねた女性が殺されてしまう。
10年前の事件と今回の殺人は関連しているのか、柚木は月刊EYESに正式にオファーをもらい、本格的に調べ始めた。
加奈子とのやり取りから始まり、人脈を広げていく柚木。
だがそこははやり変わり者の友人は変わり者であり、振り回されることを楽しんでいるようで、美女たちの自由に巻き込まれる柚木の声にしないツッコミがやけに面白い。
そして流されるままにいる間は勝手に事件は解決するように思えた。
しかし柚木は突然動き出し、そこからの彼は毎回驚くほど人を動かす。
今度の事件は苦しいほどの執念を持った人たちが一人の少女を救い、守り通したことで、柚木も手を出すことはやめているが、なんともむなしい後味を残すものだった。
でも柚木らしい引き際が見れたことで無力感はなく、むしろ区切りをつけられた満足感があった。
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