おりせ人形帖


 魂が宿った人形たちの声が聞こえる不思議な力があるおりせ。
おりせは小さいころから人形の声を聴くことができた。
女では人形師に慣れないと言われ、婿を取るしかないとわかってはいても、気持ちは結婚などしたくない。
そんなおりせが人形たちの声を聴き、人形にも人にも気持ちを繫げていく。

 このところ手に取る本はなぜか人ならぬものの声が聞こえる主人公の話が多い。
今度のおりせは人形に取り付いた何者かの魂との会話。
でもどの人形も生きている人を攻撃しようという気持ちはなく、忘れている名前を思い出したい、幼くして死んでしまったけど母の側にいたいという穏やかな望み。
そのせいかずっと優しい雰囲気で穏やかな気持ちで読み進められた。