修羅ゆく舟


2013年11月23日 読了
 鬼のような顔つきの、豪胆な蘭方医玄齋の下で、二人の女が生きる。
玄齋の弟子の妻だった沙穂は、流行り病で夫を亡くした後も玄齋のところで働いていた。そんな玄齋の元へ嫁いだ2歳年上の叔母・千草との関係が、玄齋が蝦夷地へ旅立ってから急速に壊れ始める。

 疱瘡撲滅を願う玄齋と、玄齋を慕う2人の女の物語。

 先に読んだこの人の本も、どうしようもないものに翻弄される女たちの生き様が絞り出されるように書かれていたのが印象的だった。
今度も息苦しくなるような結末だったけど、読後感はさわやか。

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