博士号を持ち、30歳で北海道警察の警察官となった沢村。
未解決となっていた5年前の少女誘拐事件の被害者・島崎陽菜の遺体が発見される。
犯人と思われていた男は既に死亡していたのだが、共犯者がいたのかと再び捜査本部が設置される。
しかし今回も解決には至らなかった。
しばらくして、5年前の捜査資料が漏洩し、沢村が疑われる。
第67回江戸川乱歩賞受賞作
研究者の身分を捨て警察官となった沢村が、ここでも自分の居場所を見つけられずもがく。
5年前の事件では捜査から外された沢村が、今度は秘密漏洩の建議までかけられてどうするか。
沢村の迷いがずっと付きまとい、事件の薄暗いイメージと並行して事件解決の困難さを強調している。
ちょっと読みずらいと感じるところもあったが、一つ一つ解明していく事実が心地よくて一気に読めた。
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