2015年05月30日 読了
中国でワールドカップが行われている最中、遠く離れた雲南省で、致死率60%の強毒性新型インフルエンザが出現していた。
いくつもの村が全滅し、ワールドカップ中止に伴って帰国する世界中のサポーターの流出と共に、地球規模へと広がる。
よくあるパンデミックのせいで起こるパニック映画そのもの。
日本が行った封じ込めが成功して世界から注目を浴びるが、都合よく進んでいく思い切った戦略は、どこの国が舞台でも成り立つ過大な自己評価の結果。
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読書と手芸の記録
2015年05月30日 読了
中国でワールドカップが行われている最中、遠く離れた雲南省で、致死率60%の強毒性新型インフルエンザが出現していた。
いくつもの村が全滅し、ワールドカップ中止に伴って帰国する世界中のサポーターの流出と共に、地球規模へと広がる。
よくあるパンデミックのせいで起こるパニック映画そのもの。
日本が行った封じ込めが成功して世界から注目を浴びるが、都合よく進んでいく思い切った戦略は、どこの国が舞台でも成り立つ過大な自己評価の結果。
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2015年05月28日 読了
捜査二課の戸田光利は、ある日突然移動させられた。
大規模なインサイダー取引疑惑を調べていた警視庁人事一課監察係の3人は、その移動を怪しげだと思い始める。
小粒ばかりが逮捕されて終わったり、うやむやになってしまっていた疑惑を抱えたまま、戸田は警察を辞め、その秘密は消えてしまうものと思われていた。
話の流れに乗り切れないまま終わった。
最後は解決するための証拠をそろえて終わるため、ほっと一息つけたり、疑惑を晴らしてスッキリする場面がない。そのためどこかうやむやで、適当なところでかわされた感じで後味が悪いというより後味すらない。
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2015年05月24日 読了
京の絵師である、ふたりのごんたくれの生涯。
当代一の誉れ高い絵師・円山応挙の弟子・吉村胡雪となった彦太郎。
その師匠応挙の絵を『絵とは言わん』と否定した深山箏白こと豊蔵。
二人はことごとく対立し、悪口を言い合い、めったに顔も合わせないが、相手の絵は認めている。
素直になれない二人のごんたくれの生き様が、師匠が逝き、仲間が逝き、やがて一人になるところまで描かれている。
始めは二人に興味を引かなかったが、すぐに所心読み返したくなるほど一文字も逃したくない思いが湧き、最後はどうなるのかとわくわくして止められなかった。
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2015年05月20日 読了
京都の美大で准教授をしている佐々木は、知識はあるがヘタレで、思いを寄せる元教え子の琴乃が結婚すると聞いて動揺する。
琴乃から、嫁ぎ先に代々伝わる家宝の真贋を頼まれた佐々木は、味覚でその価値を見極めることができる神永美有に頼り、他力本願で解決しようとする。
真贋は神永美有に見てもらい、確信を持ててから理屈で説得するという、情けない佐々木。脇役度もまだ足りないくらいの存在感で、出てくる品の魅力がよけい際立つようになっている。
あまり続きは気にならないのにシリーズとなっている。
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2015年05月18日 読了
三味線の師匠をしているお久は、足を悪くするまで芝居小屋で女形をやっていた兄と二人で稽古屋をやっている。
そこへおさんどんのお光と猫の小太郎を加え、穏やかな日々を過ごしていた。
稽古のお客やお世話になった芝居の師匠らが、お久たちの毎日を忙しくする。
やがて兄の足や出生のことにまで飛び火し、生きていると必ずとこかで起こる災いと向き合わなければならなくなる。
それぞれの気持ちが丁寧に書かれていて、どんなことも他人事じゃない気になってくる。
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2015年05月15日 読了
日本橋本石町にある、通称“やさぐれ長屋”と呼ばれる弥三郎店。
そこで暮らす人々のちょっとした出来事が順に綴られ、やっかいで愛しい人間関係を紡ぐ。
そろそろ嫁取りを考えている男が気になったのは気が強い出戻りの娘。突然言い寄ってきて勝手な思い込みで結婚を迫る男。仲の良い夫婦の旦那の方が実は寄場帰りだという噂が立つ。。。
人のなすこと思うことは、いつの時代も同じ。
いろんな立場から見ても、やっぱりそれは変わらない。
江戸が舞台の話ではあるけど、妙にリアルですとんと馴染む。
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2015年05月12日 読了
渋谷で整体院を営む竜門のところに、渋谷署強行犯係の刑事・辰巳がやってきた。
辰巳は、宮下公園で起こった事件について意見を聞きたいと言う。
一撃で関節を外された被害者。
その事件をテレビで知り、沖縄から突然やってきた武道の師匠と共に、竜門はその事件にかかわり始める。
いつものようにさらりと読める。
今回は空手の技術がメインになっていたため、型を想像するのが難しかった。
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2015年05月01日 読了
伴鍋次郎は、妻が懐妊し、さらには西丸書院番士となることも決まり、幸せをかみしめていた。
しかし、妻と共に水天宮へ詣でた帰り、立ち寄った茶店でおかしな老人と出会ったために鍋次郎の未来は不安に塗り込められる。
やがて明かされる自分の出自。
父が受けた陰湿ないじめを知り、負の感情だけが大きくなるのが苦しい。
その気持ちをどうしようかと迷いながらも、鍋次郎が向かう先にはちゃんと安心できる結末があった。
後味の悪いいじめが後を引かなくてほっとする。
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2015年04月28日 読了
助産師になって6年目の有田美歩は、いろいろ問題もあるけどいい仲間に恵まれた職場で、忙しく働いていた。
そんなある日、運ばれてきた飛び込みの妊婦の名前を見た医師がおかしな態度を見せる。
羊水検査の結果に動揺する夫婦や、新生児室から子供を運び出す看護師長など、関わる人たちの事情は様々で。
そんな中で起こる、病院としての大きな不祥事。
現場の慌ただしさや問題点、最後にきっちりサスペンスまで含んで、読みやすいわりに読み応えもあった。
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2015年04月28日 読了
元アイドルの丘えりか・通称『おかえり』は、今は旅番組を1本持っているだけの売れないタレント。
しかしその番組が、ちょっとした滑舌の悪さによる誤解で打ち切りに!
起死回生に向けて走り回る社長とおかえり。
そこへ、娘からの切実な願いを受けた母がやってきたことをきっかけに、おかえりは旅代行屋を始めることに。
タイトルも表紙も地味で、内容も想像できず、全く期待せずに手に取った本。
でもするすると読めて泣かされてしまった。
旅に出たことがある人なら、きっとどこかを思い浮かべるだろう。
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