「人を傷つけてしまうのではないか」という強迫観念に囚われている中学3年生の理子。
それは3年前に目の前で同級生が死んだ時から、理子にのしかかる強迫観念だった。
そのせいでカッターや包丁は触れず、医者にっても気のせいと言われ、理子は自らの衝動をノートに「創作」として綴っていた。
ある日、死んだ同級生の弟から、「姉を殺したことをばらされたくなければ自分の父を殺す手伝え」と脅迫される。
二人で計画を練りながら、やがて決行の日がやってきた。
物騒な思いを抱える少年と少女。
さらに心の病の母とおかしな性癖の兄という、個性の強い二つの家族の話。
殺人の計画をずっと練っているため、全体的に暗くて剣呑で、読んでいて気持ちも暗くなる。
明るい友人たちにとても助けられているが、思春期特有の思い詰めたような感じが良く出ている。