暗黒星雲のかなたに


2018年09月29日 読了
 地球の大学に留学していたネフェロス星の貴族の息子・バイロンは、突然父を反逆者として殺され、バイロン自身も狙われる。
惑星ローディアに逃げたバイロンは、政略結婚されようとしていたローディア総督の娘アーテミシアと共に追われる身となる。

 今でこそありふれた設定と言ってもいいが、私が生まれる前に発行された本ということを思えば少しも古臭くない分、かえって新鮮に感じる。
宇宙をまたにかけた逃亡の末、知恵によって身を守り、裏切り者を突き止める。
宇宙船の設定や政治に関しては興味をそそるものだったし、充分楽しめた。

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ロスト・シンボル 下


2018年09月17日 読了
 今夜中に謎を解かないと旧友の命がない。
ラングドンはピーターの妹キャサリンと、フリーメイソン最後の謎を解こうと知恵を絞る。

 謎や隠し文字、隠喩や暗号といった、興味をそそることがたくさん出てきて面白いが、やはり宗教的な蘊蓄にはついていけない。
ちょっとした疑問が湧いても、そのせいで知らなくてもいいやと投げやりになってしまう。
そのため大げさに走り回ったのにこんなものだったのかと思わずにはいられない。

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ロスト・シンボル 上


2018年09月17日 読了
 キリストの聖杯をめぐる事件後、ハーヴァード大で教鞭を執る生活を送っていたラングドンに、旧友から突然に講演の依頼が入る。
会場に駆け付けたラングドンだが、そこで見たのは、空を指さす旧友の手首だった。

 相変わらずのラングドンだが、今度も強引に事件に巻き込まれる。
しかも手首を見つけさせた犯人は、フリーメイソンの謎を解かないと旧友・ピーターの命はないと脅す。しかたなく謎解きに走るラングドンがやっぱり危険な目にあう様はスピーディーで目が離せないが、宗教上の話はちっとも分からず退屈だった。
前作もそうだが、キリスト教の基礎知識がないと謎も暗黙の了解もタブーも気づけない。
だから発見も思いつきもヒラメキもなくて退屈に感じる。

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師弟の祈り 僕僕先生: 旅路の果てに


2018年09月12日 読了
 王弁は突然現代日本へと飛ばされた。
そこで、僕僕先生との強い絆を持った人と出会う。
一方、神仙と人との争いが起ころうとしている長安。
二人はまた出会うことができるのか、そして神仙と人との戦いは。

 前作からいきなりつまらなくなった。
読んでいても興味がわかず、状況も想像できない。
何が言いたいのか、どうしたいのか全く伝わらないまま、終わりも中途半端に途切れて終わり、結局なんだったの?とすっきりしないシリーズ完結。
これなら<旅路の果てに>はいらなかった。

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辞令


2018年09月07日 読了
 大手エレクトロニクスメーカーの宣伝部副部長・広岡修平に、突然辞令が出た。
しかも降格としか思えない左遷。
広岡は、不審に思い調べ始める。

 淡々と語られるために読みやすいが、その分感情移入はしない。
サラリーマンの宿命である辞令の裏には、様々な駆け引きと地盤固め、裏工作、下準備があり、そのどれに与するか、誰を信用するかにかかっている。
辞令で始まり辞令で終わる。
出世や会社への執着がない人にとってはくだらない事だが、人事とは人生を左右する大事でもある。

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密告はうたう


2018年09月05日 読了
 警視庁人事一課監察係の佐良は、かつて一緒に捜査を行っていた皆口の監察を任された。
行動確認のため尾行を続ける日々に、皆口の婚約者が死んだ事件とのかかわりを見つける佐良。

 監察としての任務の裏に、同僚が死んだ事件がまだ解決していないという因縁がつながり、捜査に力が入る佐良。
しかし、緊張感が増し関係者が増え、事が明らかになっていく割に、それをもたらした原因がいまいち重要なイメージがない。
不幸な結果になる者が多い事件なのに、その根本が曖昧では、空回りして勝手に深刻がって走り回っているようにしか見えなかった。

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任侠浴場


2018年09月01日 読了
 東京のとある組、オヤジが妙に人たらしなため、人望も人脈も大きく広い。
そんなオヤジのところに、またある悩みが持ち込まれた。

 刑事モノで登場する甘糟もまたちょっと顔を出したり、ほわっと笑わせるところもある。
ヤクザのくせにつぶれかけた銭湯を立て直すために働くという変わった話だけど、あまり現実離れしていないせいか、さらさらと気持ちよく読める。
ちょっと都合がよすぎるくらいに進むところはいつもの通り。

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物の怪斬り 溝猫長屋 祠之怪


2018年08月30日 読了
 刀を持つと人格が変わる手習いの師匠・蓮十郎に、かつて剣を習っていた旗本の次男・市之丞から幽霊を斬ってほしいと依頼がくる。
断られないよう、子供たちをも巻き込むという念の入れよう。
蓮十郎が幽霊を退治するまで、子供たちは江戸を離れることになったのだが。

 お多恵ちゃんの思いが江戸を離れてもついてくる。
今回はいつもと何かが違うと感じる皆は、やがてお多恵ちゃんの思惑に気付く。
これでお多恵ちゃんの力も消え失せるのか。
何とか解決はしたし、普通ならこれで完結するはずなのに、続きが気になって仕方ない。

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火刑列島


2018年08月24日 読了
 現象学者の凪田緒ノ帆は、火災で恋人を失った。そのうえ恋人のスマホには、メグミという女性の写真に設定されていた。
さらに突然現れた露木は“予現者”と名乗り、同じように火によって死んだ人の共通点にはメグミがいたと言う。

 メグミの正体と事件の真相を露木と一緒に確かめることになった緒ノ帆は、露木の車で日本をめぐる。
『黒猫シリーズ』の作者とは思えないクオリティの違い。
他の作品もそうだが、力の入れようが違うのか、黒猫シリーズ以外はさして面白くはない。

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紐結びの魔道師


2018年08月20日 読了
 紐結びの魔道師リクエンシスは、様々な結び方をすることで、お守りを作ることも、罠を仕掛けることも、怪物対峙に加勢することもできる。
普通の人よりも長い時間を生きる魔道師の生きてきた、ある場面を切り取った短編集。

 『オーリエラントの魔道師たち』の中で一番印象に残っていた人物の物語。
相棒リコとの出会い、若い頃の衝動や、生き過ぎたと感じている頃の心の動きなどが、紐結びの魔法と共に生き生きと描かれていて、読み終えるのがもったいないと思えるほど。そしてリコとの別れを知った時の寂しさは大きすぎた。
 同じ魔道師のカッシやケルシュの話も読みたいが、次に興味が湧いたのは<星読み>のシンドヤ。
彼女が主人公になった話も読んでみたい。

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