2012年08月02日 読了
職なしの閑人である瑞樹は、祖母の持っていた外国人向けアパートの管理をすることになる。
風習も常識も違う人たちが集まれば、何かしら事が起こるのは当たり前。
ランタンのともる古い洋風のアパートは「ランタン楼」と呼ばれ、近所からは迷惑がられていたが、住人とトラブルにかかわるうちに瑞樹は少しづつ考えを変えていく。
コーヒー豆と和食器の店を営む杉浦草の話と似て、穏やかな主人公に少しの謎解きと地域との触れ合い。
でも草さんの話の方が好き。
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読書と手芸の記録
2012年08月02日 読了
職なしの閑人である瑞樹は、祖母の持っていた外国人向けアパートの管理をすることになる。
風習も常識も違う人たちが集まれば、何かしら事が起こるのは当たり前。
ランタンのともる古い洋風のアパートは「ランタン楼」と呼ばれ、近所からは迷惑がられていたが、住人とトラブルにかかわるうちに瑞樹は少しづつ考えを変えていく。
コーヒー豆と和食器の店を営む杉浦草の話と似て、穏やかな主人公に少しの謎解きと地域との触れ合い。
でも草さんの話の方が好き。
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2012年07月30日 読了
令嬢飲みが通う私立の女子校へ入学する。
本と紅茶と薔薇のジャムが好きなお嬢様達との、優雅で甘いお茶会・・・のようなお話。
10代の頃によく読んでいた作家さんを久しぶりに見つけて手にとってみたものの、少女の憧れだけを詰めた缶詰をうっかり開けてしまったような、少し後ろめたい気恥かしさでいっぱい。
そう言えばこの人は昔からこうだった。。。
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2012年07月29日 読了
馬場横町市立図書館では、45万冊の蔵書がある。
その本たちが、『話虫』達によって、いつしか少しづつ書きかえられてしまう。
図書館に勤務する糸井は、物語に入り込んでそれらの本を元に戻すよう様々な策を弄す。
文豪・夏目漱石の「こころ」が書きかえられる。
図書館の地下でひっそりと行われるこの作業は、「話虫」によって刻々と変わる話を正常に導かなければならず、なかなかに難しい。
お話の中に入ることができ、登場人物と親友になれたとしても、彼らの記憶(話)には残らない。好きな本であればあるほど、苦しい仕事だろうな。
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2012年07月19日 読了
あらゆるシチュエーションで、まぁ幸せといえる人生を送ってきた主人公らが、最後の1行で衝撃を受ける。
それとなく想像はできる話ばかりだが、うすら寒い結末に気分が沈む。
それでも、恐ろしい真実をなんとか受け止めて進む。
幽霊を乗せたタクシーの話だけはなんだかほっとさせられた。
ただし、タイトルになっている小編は締めにもかかわらず、駄作。
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2012年07月16日 読了
表紙のない1冊の本に、狂った動物園を見た。
毎日奇妙な格好で現れ、1日中一つの動物の前に立ち、そのものを真似る。そしてさも擬態するように、行動はおろか姿まで変えていく女。
その彼女が擬態した動物は、必ず死に、やがて地球からも絶滅する。
不思議なその女を連れ帰ってしまった男は、数日ごとに姿を変える彼女に囚われ、餌をやり、飼い慣らそうとする。
奇妙で、不気味な話。数十分で読めてしまうわりに、うすら寒い感じがいつまでも残る。
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2012年06月03日 読了
古い原稿には、40年前の殺人事件についての詳細が、作者なりの推理で書かれていた。
目の前で起こった事件のことを、執念ともいえるほどの情熱で書き続け、真犯人をも書き付けられた原稿だが、響季姉妹はどこか違和感を感じていた。
構成がつかみにくく、読みにくい。
推理小説らしく最後に逆転はあるものの、鮮やかと言うほどではない。姉妹いらなかったのでは。
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2012年05月17日 読了
たとえ相手がヤクザでも、ハッタリかましてかすめとる。
妙な女と組んで仕事を始めたばっかりに、実入りも多いが苦労も多い。
あっさり読める短編集。
仲間として協力しながらも、あっさり裏切るところは峰不二子のようだが、どうもあまり好感が持てない。
要領よく立ち回るだけの詐欺師。
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2012年05月08日 読了
失踪した中国からの「研修生」。
彼女が戻らなければ、一緒にやってきた249人の研修生は中国へ強制送還され、二度とチャンスはない。
時給270円の世界に閉じ込められた底辺の労働力に、マコトは言葉をかける。
毎回マコトの差配を楽しみにしていたけれど、今回はどれもぱっとしない、スッキリしない。
タカシもほとんど顔を出さず、IWGPとして成り立っていない気がした。
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2012年04月21日 読了
ロシア人のボディーガードを依頼された工藤。
商談が終わってロシアへ帰るまでの長くて1週間の護衛だったのだが。。
工藤は「特殊防諜班シリーズ」の真田武男とキャラがかぶる。
敵として出てきたのはヴィクトル。
憎めない暗殺者として過去の作品に登場したヴィクトルが、敵に回っていたのがなぜか辛かった。
でもやはりヴィクトル。彼の姿が見れてうれしい。
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2012年04月13日 読了
借金や暴力で、逃げたい人の頼みを請け負う仕事、「とんずら屋」。
そこに、「弥吉」と名乗る若者がいる。
お家騒動に巻き込まれた母の手によって逃がされてきた弥生は、男姿で弥吉と名乗り、船頭の傍ら「とんずら屋」をしている。
弥生はまだ若く、考えも幼い。そのせいか、自分の周りしか見えておらず、思考や行動が危なっかしい。甘えたくないと思って頑張る姿がことごとく裏目に出るために、返って周りに心配をかける姿がこれからどう変わるのか。
話としてはかなり拙いけれど、謎を残してるので続きがあるのだろう。
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