化合


2011年10月25日 読了
 板橋区で男が殺された。
捜査本部が立ち、検事の指示の元、捜査が始まる。

 刑事と検事の対立、所轄の古参刑事と本庁の若手刑事とのコントラストと、わかりやすい対比でサクサクと読める。

 誰も悪役で終わらず、余韻はさっぱりしている。
そしてこれがSTへ繋がる道。

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君たちに明日はない


2011年10月04日 読了
 リストラを請け負う会社に勤める真介。
候補者の面接をし、条件を提示し、自主的な退職を促す。

 仕事はできるけれど、プライベートでは狡猾な真介を、最後まで好きになれなかった。
 つい流されて、しかも楽だから抵抗できないけど、なんだか温度がない感じ。
同じ温度の物を触っても熱くも冷たくもないように、触れた事に気づかない透明なゼリーをかきまわしている気分。

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黄泉坂案内人


2011年09月29日 読了
 自分の会社をつぶし、タクシーの運転手をやっていた磐田速人は、ある日「入日村」に迷い込む。
そこは老いも病みもしない村人と、古から存在だけは伝えられてきた妖達の住む場所だった。

 やはり「人ではない者」が登場する。
正しく黄泉へと向かえなかった魂達を導き、未練を昇華させるために。

 不思議な世界観は相変わらずだが、今回はちょっとイメージしにくい描写が多かった。

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ひかりの剣


2011年09月27日 読了
 バチスタシリーズではおなじみの速水、田口、高階、島津といったメンバーが登場するが、話は医学とは離れたところで進む。
 学生時代、彼らが夢中になっていたもの。

 互いの存在のみを強く意識した、速水と清川の戦い方。
この頃の速水を知ると、その後伝説を作るようになるとは想像できないが、若き日の彼は一途だった。

 病院での彼らの生きざまに至る途中経過が見れたようで面白いが、ストイックすぎて入り込みにくい。

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砂漠


2011年09月24日 読了
 友人たちと過ごした大学時代を季節ごとに描く。
クラスメイト、女の子、罠、事件などの、いずれ思い出となる出来事たち。

 ただ、始めの頃ははさして書くべきこととも思えず、
「面倒臭いことや、つまらなさそうなことの説明は省くつもりなので」という文があったのが皮肉。まさにこの件を省いてほしいと思ったほど。
 しかしだんだん作られていく人間関係と共に濃くなっていく。
社会と言う「砂漠」に出る前の、居心地のいい場所の思い出。

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ころころろ


2011年09月23日 読了
 若旦那の目から光が奪われ、それを取り戻すために妖たちが力を合わせる。
 光を奪ったのは神。
人と妖が、神と取引などできるのか。

 いつも通りの面々、だけど今回は少し、若旦那よりも妖たちのほうが存在感があった。

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瓦礫の矜持


2011年09月20日 読了
 警察に少なからず遺恨のある者達が、様々な方法で国家権力に挑む。

 正面から腐敗を正そうとするもの、影からメンツをつぶそうとするもの、ただ金をもぎ取ろうとするもの。

 たくさんの人間の思いが描かれるが、上手く絡めたところで失速した。
結末だけが少しも残らない。

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プリンセス・トヨトミ


2011年09月13日 読了
 大阪の男たちは、大きなナイショの何かを守っていた。
東京からやってきた会計検査院の調査官3人は、大阪で眠っていた歴史を掘り出そうとする。

 流れが悪い。
ホルモーでぽんぽんとテンポよく惹き付けた力が感じられなかった。

 でも、男たちの壮大なウソと、女たちの頼もしい支えがあった。

 映画になって、どうアレンジされているのか気になる。

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サニーサイドエッグ


2011年09月06日 読了
 ペット探しが専門じゃない!
とは言うが、来る依頼は猫と犬の捜索。
さらに依頼人が美人ならすぐさま受ける。

 逃げたロシアンブルーを追ううち、「ハードボイルド」というにふさわしい事件になるが。
 主人公はダメ男、助手は変な少女、スピード感とは程遠い展開。
ゆるい探偵小説でした。
 その分二人には愛着が沸くのかもしれない。

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天才たちの値段


2011年09月03日 読了
 地下室から、または蔵から、見つかった古い美術品は果たして本物か。
 真贋を問われる短大の教師・佐々木。

 なによりも美術コンサルタントの神永の見抜く力が変わっている。
 でも流れが不自然でわかりにくい所が多く、余韻も少ない。
キャラクターの個性や気持ちの動きよりも、美術品のウンチクに力が入っているからか。

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天才たちの値段 [ 門井慶喜 ]
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