黄泉津比良坂、血祭りの館


2011年08月30日 読了
 人里離れた山の頂、大きな洋館の中に、世俗とは関わりを持たない一族がいた。
その洋館では、血ぬられた伝説がある。

 暗く長い話。莫大な財産と、血族婚を繰り返す人々は、時に狂う。

 キーとなる人物は探偵かと思いきや、最後にさらっと明かす本当の名前と主人公。
 とっつきにくいが世界観に深く沈める。

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ストーリー・セラー


2011年08月28日 読了
 小説家になった女性と、彼女を支えた夫。
二つの物語。

 どちらも体を引きちぎられるほどの思いをする。
得意の甘い話とは少し違って、切なくていい話だけど、辛くて二度と見たくないと思ってしまう。

 やはりこの人はハッピーエンドがいいな。

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ナニワ・モンスター


2011年08月27日 読了
 関西の都市・浪速で新型インフルエンザが発生した。
浪速市は政府により警戒態勢がひかれる。事実上の経済封鎖である。

 地方と中央の大がかりなケンカの話かと思っていたら、白鳥や斑鳩といったおなじみの面々も登場。
なんとなくニヤリとさせられる。
東城大にAiセンターが作られている最中のお話。

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ジェネラル・ルージュの伝説


2011年08月06日 読了
 ジェネラル・速水の過去と、「凱旋」の別視点、そして彼が東城医大を去ってからの短編。

 ドラマと設定がかなり違っていて、速水のイメージががらりと変わる。こちらが本意なんだろうけど、ドラマの方がカッコイイ。

 後に添えられている自作解説は、悪口ばかりでどうにも感じが悪かった。

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ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルII


2011年08月01日 読了
 ストレンジが本格的に活躍し始める。
軍に同行し、フランスを惑わせ、蹴散らす。
そして国中に名を知らしめ、ついにはノレルとの師弟関係を解消するまでに。

 二人の魔法使いより、ジョナサンの妻と、ノレルが蘇生させた貴婦人のほうが惹き立っている。

ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレルI


2011年07月31日 読了
 19世紀イギリス、魔法は議論されるだけものもになっていた。
なぜ魔法が使われなくなってしまったのか。
そんな折、現代に魔法を取り戻そうとした男が一人、ロンドンへとやってきた。

 完成まで10年を要し、発表されるや世界的なベストセラーになった本、らしい。

 長編にありがちだけど、1巻ではさほど気を引くものがない。
古い絵本のような暗くて曖昧な挿絵も話を重くする。

黄金坂ハーフウェイズ


2011年07月21日 読了
 就職浪人の隼人を、友人の楓太が連れて行った先は怪しげなバー。
 日給500円で働くマスターと魔女のようなママ、昼と夜とでは恐ろしく別人の芸者コンビ。

 どう見ても近寄りたくないメンバーに頼まれて、隼人と楓太はにわか探偵をする羽目になる。

 展開はとても作者らしいけど設定はありふれていて、「インディゴ」ほどキャラクターに魅力がないのでさほど面白いと思えなかった。

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ハーメルンに哭く笛


2011年07月17日 読了
 ある日、児童30人がまるでハーメルンの笛吹きのごとく連れ去られた。そして2日後、墓場で奇麗に並べられた死体として発見される。
 
 花街に住む盲目の元検事が見事な探偵となっている。
意地悪で口が悪く、人を指に巻く性格も、その美貌を持って帳消しにされるほどで、すべての言動が美しい余韻となる。
 
 周囲で動く素朴な若者と頑固で粗野なベテランという定石の組み合わせも、物語をわかりやすくしてくれている。

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依頼人―湯川史郎の事件カルテ


2011年07月14日 読了
 弁護士免許を持つ医師・湯川。
友人の弁護士が営む法律事務所でイソ弁をしている。

 淡々と進む話は他人事のよう。
人が死んだり理不尽なことがあったりしても、ペースを乱さず解決していく湯川は医者でも弁護士でもなく探偵。

 短編なので読みやすい。

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最初の哲学者


2011年07月12日 読了
 ギリシャの神々、歴史、伝説を独自に解釈して集めた短編集。
聞いたことのある話も多くあり、ちょっとした隙間に読める。

 神話への興味が大きくなる。

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