夢の中の魚


2011年11月20日 読了
 その日海岸に流れ着いた物は、ただの漂流物ではない、国家機密の破片だった。

 「真の情報収集とは、無自覚な人間から、罪悪感を伴わずに最高の情報を引き出す行為をいうのだ。」祖国のために人生のほとんどを日本で暮らすことを決めた情報屋が言うコトバは、軽薄で重い。
韓国日報の記者の顔を持つ洪が、相棒パクと動くいくつかの話。

 人物関係図が他シリーズと重なり、頭の中で年表を作りながら読む。潔い男たちが魅力的。

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丘の上の赤い屋根


2011年11月14日 読了
 ずっと離れて暮らしていた父が亡くなり、東京近郊にある大きな屋敷をうけついだ真希。そこには小さなコミュニティFMがあり、真希はボランティアMCとしてそこで仕事をすることになった。
 
 土地の名士の末裔としてやってきた真希には、わずらわしい問題が次々と巻き起こる。

 真希が最後に自分を顧みる所では、しらじらしいほどの模範回答で白けた。
しかしそれ以外はすらすら読めて、ラジオをゆっくり聞く時間がほしいなぁと思った。

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やなりいなり


2011年11月09日 読了
 妖たちが騒ぐ。お気に入りのお菓子を求めて。
今回はレシピがついた短編集。
 
 おなじみのキャラに相変わらずのんきな若だんな。
特別事件が起きなくても、なんとなく安心できるから時々読みたくなるシリーズ。

 でも今回は少し違う雰囲気があった。

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プラチナ・ビーズ


2011年11月04日 読了
 人的情報収集活動をしている葉山は、ある日話を聞いた「対象者」から『北朝鮮に動きがある』という情報を得る。
また別の場所では、脱走した米兵が惨殺されている事件を調べる者がいた。
 調査を進める葉山は、「プラチナ・ビーズ」という言葉にたどり着き・・・。

 スパイ機関であるアメリカの「会社」に勤める葉山の、次第に大胆になる動きが頼もしい。

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もろこし銀侠伝


2011年10月21日 読了
 『水滸伝』時代の中国が舞台。
人が拷問されたり簡単に殺されたりするが、その割には軽快で暗くならない。
 様々な達人たちがカッコイイので夢中になれる。

 そういえば私は『水滸伝』を読んでない。

この国。


2011年10月16日 読了
 一党独裁のこの国は、売春宿さえ国営である。
一見満ち足りた暮らしやすいこの国にも反政府組織はあり、首都警察の番匠少尉は、彼らと対峙する。

 アジアの島国を痛烈に皮肉った設定で、思い当たるところもたくさんある。

 暗くて重い雰囲気が、頭脳派の番匠の生き様を表しているよう。

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椿山課長の七日間


2011年10月07日 読了
 デパートで働く46歳の椿山課長は、死んだ。
あの世へ行くための手続きのため、まるで役所のようなところで講習を受け、罪を暴かれる。

 死んでしまったのはしょうがない。でも心残りが多すぎる。
そう主張して現世に戻してもらった課長。

 同時に現世に来た3人は、それぞれ自分の居場所へ戻り、自分のやるべきことをする。
 それが望む結果になるかも、それぞれ。

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オレたち花のバブル組


2011年10月02日 読了
 東京中央銀行営業第二部次長の半沢は、バブルの頃に入行した。
一筋縄ではいかない取引先の担当を押しつけられて頭を抱える半沢や、出向先でいびられて精神崩壊の兆しを見せる近藤、そして渡真利と、同期が力を集める。

 銀行から融資した金の不信な流れ、上からの圧力、不正。
そんな負の事実が少しづつ繋がっていき、やがて弾ける。
 男たちの人生と信条をかけた勝負。

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ロマンス


2011年09月16日 読了
 ロシアの血をひいている子爵・麻倉清彬は、親友の身元保証人として、カフェーに呼び出された。
そこには、見た事もない男の死体があった。

 皇族や華族の存在意義を問う共産主義が脈動を強めていた昭和初期。
清彬と、華族でありながらあえて軍人になった友人・嘉人、そして嘉人の美しい妹と。
 3人の若者の生きる意味と、かなわぬ恋が絡まる。

 ジョーカー・ゲームほどではなかったが、狡猾でミステリアスな雰囲気は充分楽しめる。

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猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷


2011年09月08日 読了
 家に帰ると猫がいた。
あぁ、そうかこれは妻だ。

 不思議なくらい自然に受け入れてしまう主人公。
彼は特殊な郷の出身だった。

 豪快で頼もしい友と猫になった妻。
勤めである事を為す日々がやんわりと語られている。
説明が少ないため、読んでいくうちに少しずつ自然に判るのを待つ。

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猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷 [ 小路幸也 ]
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