2016年01月09日 読了
ドイツのとある市長の娘が悪魔憑きになり、手が付けられないとバチカンに協力依頼があった。そしてロベルトがエクソシスト補佐として出向くことになる。
ところが、その町の怪異はそれだけではなかった。
気になって休暇を切り上げた平賀も加わり、悪魔の正体を暴こうと奮闘する二人。
一見わけのわからない出来事をどんなふうに科学的に解釈していくのか、その工程が楽しい。
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読書と手芸の記録
2016年01月09日 読了
ドイツのとある市長の娘が悪魔憑きになり、手が付けられないとバチカンに協力依頼があった。そしてロベルトがエクソシスト補佐として出向くことになる。
ところが、その町の怪異はそれだけではなかった。
気になって休暇を切り上げた平賀も加わり、悪魔の正体を暴こうと奮闘する二人。
一見わけのわからない出来事をどんなふうに科学的に解釈していくのか、その工程が楽しい。
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2015年12月26日 読了
そこそこ大きな店の息子たち3人は、甘やかされて放蕩三昧だった。
そしてとうとう大目玉を食らい、3人別々に他所へ預けられることになる。
そのうちの一人円九郎が預けられたのが皆塵堂。
そしてやっぱり怖い思いをする。
とりあえず謝って、相手の怒りが収まるまで少しおとなしくして、口先だけの嘘で反省する。そんな円九郎は皆塵堂で改心するのだろうか。
相変わらずの面々に囲まれ、散々幽霊と出会い、悪友は憑き殺されてしまうというひどい思いをする円九郎。荒療治だけど怖い雰囲気は所々で猫や峯吉が和らげてくれる。
仲間も猫もどんどん増える。
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2015年12月20日 読了
跡を継げる家もなく、金もなく、嫁をもらうこともできない。どこかに養子の道があれば良いが先々の見通しが全く立たない3男以下の男たちは、せめて剣の腕くらいはと道場に通う。
ところが運よく家を継いだ吉之助は、ある日大名家へ向かう途中辻斬りに合う。それを助けた武家は、幼き日々に一緒に剣を習った道場仲間・有月であった。
立場が変わった幼馴染たち。
鶉を飼う武家の有月と共に、江戸近隣で相次ぐ豪農不審死事件の解決に駆り出される吉之助。彼はやたらと涙もろいせいか、その情けなさが有月の名案を引き立てている。
動物が登場する話は和むので読みやすい。
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2015年12月19日 読了
江戸町名主の跡取り息子でのんき者の麻之助、町名主を継いでいる色男の清十郎、堅物だけど信用できる同心・吉五郎の3人に、今日も町の悩みや揉め事が持ち込まれる。
清十郎の嫁取りがしだいに切羽詰まってもうまったなし。
おなごにモテる清十郎なのになぜ嫁が決まらないのか。
周りからせっつかれ、麻之助はいろいろと策を練る。
江戸の話が多い作者だから、シリーズの中身が混乱してしまう。
それでも、悲しい出来事もありながら人情もありの安定感ですべて丸く収まる。
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2015年12月09日 読了
大正時代、茶道の名家にお稽古をに来た紗葵子は、そこの師範と知らぬ間にお見合いをさせられており、結婚が決まる。
その師匠の家は、かつて生贄となるために育てられてきた姫が死と引き換えに手に入れた井戸を守る家だった。
紗葵子の話と姫の死後とが交互に語られる。始めはそれぞれの物語だが、最後は不思議とシンクロしていく様子が静かに広がり、その後の彼らを様々に想像させる。
誰にも肩入れせずに進むせいか、残酷な場面でもすでに思い出話のようで、ある程度は癒されている感覚があってむやみに痛々しくない。長いおとぎ話といった感じ。
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2015年12月06日 読了
自分が死んだことにして、偽の葬儀をする。周りの人はどんな反応をみせるだろうか。
決して安くない費用がかかりますが、身近な人の本音を引きだすことができるでしょう。
依頼人は、若者から余命1か月の病人まで。
現実の何もかもが感じられなくなり、死のうとしていたセレナは、いかにも怪しげな男に声をかけられる。4か月だけその命を預けてみないか、と。
イケメンだけどヘンタイの男二人と何人かの葬儀をやるうち、セレナを拾った男の過去が見えてくる。縁起でもない仕事だし、とても不謹慎なことをする人たちだけど、なぜだかさわやかに終わっている。
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2015年12月02日 読了
秋葉原にある交番には、強面だけど秋葉原をこよなく愛する権田と、イケメンで女好きなうえ、幽霊まで見えるという謹慎中の向谷が勤務していた。
そこへあるとき、足だけの幽霊が訪れる。
記憶がないその幽霊の体の行方も追いつつ、秋葉原の交番に駆け込んでくるご近所さんをなだめながら、足子さんと命名された足だけの幽霊が協力して捜査にあたる。
そしてたどり着く真実には、痛ましい事実と共に暖かい思いがあふれ、さっぱりとした気分で終わる。コミカルで楽に読める。
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2015年11月22日 読了
第2次世界大戦。祖母のレシピを見ることが一番の幸せだった少年が、志願兵となる。
戦士として一番下に見られるコックとなった新兵ティムは、個性あふれるコック仲間と共に、補給品の盗難事件やオランダの民家で起きた夫婦の心中など、戦いの中で起こる色んな不幸と謎に対面する。
半ばまでは特に興味を引くこともなく、ただ読み進めていたのだが、だんだん個性がはっきりしてきてからは注目したいことが見えてきて楽しくなった。
読んでるうちは感想もうかんでこなかったのに、読み終えた時は満足感がある。
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2015年11月09日 読了
15年前から羽根藩に仕官している多聞隼人は、鬼隼人と呼ばれ、成り上がりで、領民にも嫌われ、仲間の武士からも軽んじられる。
しかし彼には、誰にも言わない「この藩にいる理由」があった。
かつてこの藩で負った深い傷を誰にも見せず、ただ藩主が名君かを見極めるためだけに生きた。
その生きざまを潔いと言うかどうかはわからないけど、最初からどことなく悲しみが見え隠れしていたせいか妙に納得した。
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2015年10月31日 読了
天涯孤独の少年・トビーは、食堂の主に買われてひどい待遇で働かされていた時、仲間に誘われて軍隊に入る。そこで軍艦に乗ったトビーは戦で供を失い、漂流しているところをセント・イージス号に拾われた。
セント・イージス号では、何もかもが初めての体験だった。
人間らしい扱い、望めば与えられる教育。そしてセント・イージス号の秘密。
トビーが学びによってどんどん変わり、自分の意志と目標を持ち始め、不思議な海の生き物を操る少女に魅かれていく。前半の暗い様子とは打って変わり、セント・イージス号にかかわる者たちの充実感が力強くて気持ちがいい。
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