キッズタクシー


2016年05月28日 読了
 シングルマザーでタクシー運転手の千春。
ある日予約していた小学生の男の子がいなくなる。事故か、それとも誘拐か。
捜査が進むうち、千春の15年前の事件を暴く噂が流れ始め。

 千春のほかに、視点を変えて数人の目線から語られているが、それがあまり生きてない。かえって混乱してしまった。
短編が多い作者だからそのあたりの癖かもしれない。
 自分の子供を含め、仕事上で出会う子供たちを理解しようとする千春が懸命すぎて、心が痛む。

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アンと青春


2016年05月19日 読了
 デパートの和菓子屋『みつ屋』でバイトをしている主人公の梅本杏子。
シリーズ2作目。仕事にも慣れてきた頃、デパートにやってくる様々なお客様を見る目も変わってくる。
不思議な言い回しをする人に、業界の専用言葉がわからず悩むアン。
周りの空気が一瞬固まるほど子供を叱る親など。
 しかし、そこだけ見れば嫌な客でも、事情を推理していくと見えてくる本質があり、アンは手を貸そうとしてしまう。

 お人好しで、お菓子と関わる謎をひたすら解き明かそうとするアンの姿は一途なようだけど、どこか白けた雰囲気が漂う部分もあり、応援や共感をしにくい。
 所々はおもしろいけど、全体の読後感としては流れに乗り損ねたような気分。

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私のサイクロプス


2016年05月09日 読了
 迷い癖のある旅本作家・和泉蝋庵と、お供の輪と耳彦。
目的のところにたどり着くまでの迷い道で、ひたすらおかしな町に出くわし、恐ろしいものを見、死にそうな目に合う。

 前作の『エムブリヲ奇譚』の不気味な後味が妙に残っていたので興味がわいた。
ホラーで所々スプラッタだから、読んでいると恐怖で震えるが、なぜか読後感は悪くない。
日本中の奇妙な話を集め、どこかで聞いた頃がある伝承が混ざっているからか。

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骨董通り0番地


2016年05月03日 読了
 骨董通りの一角、あまり人に見つかってほしくないと言わんばかりの佇まいをしたバーがある。そこの常連である老紳士の内山に、ある女性と仕事を含めた付き合いをしてほしいと頼まれる主人公の高柳。

 時が止まったかのような雰囲気のバーと、よく似た気配の老人。
内山に懸想する若い女性に惹かれていく高柳が、自分の嫉妬心に気付いた時、内山を巡る女二人の戦いに巻き込まれていることを知る。
 しかしその戦いすら、内山の練ったゲームの中のひとつにすぎないと気づきながらも抜けられない高柳が、静かに怒りを感じるのが最後の最後までない。
いい年をした男が上手く操られた感があるにもかかわらず。

 人に、「きっとこの作者の本は気にいると思う」と紹介された作家。
煙に巻かれたような読後感だが、不快感はない。

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教場


2016年04月20日 読了
 警察学校初任科の第九十八期短期過程の生徒には、厳しい規律と訓練で心を壊す者が出てきていた。
 厳しいだけでいじめとしか受け取れない教官、同期を執拗に追い詰める者など。
そんな中、白髪まじりのある教官は、一人冷静に生徒たちを見つめていた。

 柳広司のスパイシリーズのようなイメージで読み始めた。
途中とても不快な気持ちになるところもあり、そこが全く違うところだが、人の暗い内面を誇張しているという点では効果のある理不尽さだった。

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ポンコツ探偵の名推理


2016年04月08日 読了
 大物政治家の脱税疑惑を追ったせいでクビになった刑事の八房文次郎。
家も妻もなくし、金も仕事もなくなり、途方に暮れる八房は、後輩の紹介で探偵組織の一員となる。
 うっかり借金を作ってしまったために探偵の助手になった八房が、すっとんきょうで最低ランクの探偵・弾正勘八と組み、依頼をこなしていくが。

 警察としての能力はあるのにどうも運が悪い八房は、『田舎の刑事』シリーズの主人公と通じるところがある。
そのためどこか滑稽で、深刻な事件なのに笑いがにじむ。
楽しめた。

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インフェルノ(下)


2016年03月27日 読了
 増えすぎる人類の未来を憂慮し、対策を講じようとしたゾブリストの野望が明らかになった。シンスキーと合流したラングドンは、暗号を解きその陰謀を阻止しようと駆け回る。

 上巻ではそれぞれの立場と思惑がまだ明かされず、誰が信用できるのかがわからないまま誰からも逃げていたラングドンだが、ようやく目的がはっきりしてくる。
極端な思想は危険であるが画期的な解決策でもあり、ゾブリストがただの悪人ではないとわかるが、天才ゆえの飛び越えた発送は支持されない。
解き放たれたウィルスの効果がどうなっていくのか楽しみである。

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千年鈴虫


2016年03月15日 読了
 母と共に『源氏物語』のカルチャースクールに通うことにした主人公の千佳。
講師である初老の大橋から発せられる艶のある声に耳を傾けるうち、大橋の愛人となる。

 現代の源氏さながら、あちこちの女に求められるがまま答える大橋に、いつの間にか魅せられ、一緒に住むようになるが。
源氏の最愛の人でありながら正妻にはなれず、人生の最後に裏切られて静かに狂う紫の上をなぞるように生きる千佳の様子が淡々と語られる。

 源氏物語は途中で飽きてちゃんと読んでいないけど、あの長い物語を現代に再現したかのよう。

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千年鈴虫 (祥伝社文庫) [ 谷村志穂 ]
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離婚男子


2016年02月19日 読了
 長距離トラック運転手・健二は、ある日帰宅したら妻が家財と共に消えていた。
2歳半の娘を残して。。。

 よくある、妻に逃げられた男が初めての家事育児に奮闘しながらもやがて子供と心を通わす話かと思っていた。しかし、ただ妻に逃げられただけじゃなさそうだと思いだしたら面白くなっていく。
関西弁で、くだらない言い合い(掛け合い)が言えるのは家族ならではだなぁと楽しめる。
時々ドキッとする言葉が出てくるし、暴走しそうな大人に対して子供がいいストッパーになっている。
でも最後はいろいろと回収しきれずに不完全燃焼な感じがもったいない。

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離婚男子 [ 中場利一 ]
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大川契り: 善人長屋


2016年02月15日 読了
 善人長屋と呼ばれるある長屋では、一人を除いて誰もがみな裏の家業を持っていた。
そんな長屋が善人長屋と呼ばれる所以は、ただ一人裏がないまっすぐな善人の加助。しかしこの加助が持ってくる厄介事で長屋は毎日てんてこ舞い。

 表紙がいきなり剣呑だが、これが長屋の一大事。差配の母娘が囚われた。
善人長屋はシリーズだったそうだが、これだけ読んでも楽しかった。

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大川契り 善人長屋 [ 西條奈加 ]
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