2014年04月01日 読了
腕貫探偵が、ちょっとした話からすべてをすっかり解き明かす。
相談ごとを持ち込む今までの話と違い、仕事以外で行きあう知り合いのおかしな話などをネタにしている。
探偵の知人ばかりのせいか、常に平常心で淡々と語る探偵のちょっと人間らしさがみられたのは面白いが、その分その人たちの話が長くて疲れる部分もあった。
最後は少しほっこりする。
どうやら間に何冊があったよう。見逃したか。
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読書と手芸の記録
2014年04月01日 読了
腕貫探偵が、ちょっとした話からすべてをすっかり解き明かす。
相談ごとを持ち込む今までの話と違い、仕事以外で行きあう知り合いのおかしな話などをネタにしている。
探偵の知人ばかりのせいか、常に平常心で淡々と語る探偵のちょっと人間らしさがみられたのは面白いが、その分その人たちの話が長くて疲れる部分もあった。
最後は少しほっこりする。
どうやら間に何冊があったよう。見逃したか。
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2014年03月27日 読了
完璧な健康を手に入れるために国が権力を駆使してサポートする。
自由化された医療では病院のランクによって料金も診察内容も露骨に変わる。
医療を極端な方へ向かわせ、コミカルに煙に巻き、最後はあっさり突き落す感じの医療業界の短編。
笑えるけど怖い話。
タイトルの「ガンコロリン」とジェネラルの話が印象に残る。
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2014年03月18日 読了
貧乏長屋に越してきた父子。
すると長屋は、その親子を嫌悪するものと同情するものの二つに分かれた。
おかしな振る舞いをする男・弁蔵とその倅・正吉への嫌悪は、時に露骨ないやがらせへと発展する。正吉と仲良くしたい主人公の信太郎は、母からのきつい言いつけと周囲の親子への差別に心を痛めながらも考えていた。
読みやすく、主人公の子供目線で書かれているので人間関係の表裏も解り易い。
いじめや騙し、犯罪もある割には気持ちのいい読後感。
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2014年03月15日 読了
人魚の肉を食べてしまった女は、もう100年あまりも生きてきた。
様々な名前を使い、その時々で愛した男との間に子供を産み落としてきた彼女は、自分の子供たちと関わった者たちの人生を狂わせていく。
まとわりつく恐怖がまさに蛇のよう。
不幸になっていく者ばかりの中、主人公の緒方はなんとかそれを断ち切ろうとする。
最後までその不気味さは変わらなかった。
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2014年03月12日 読了
ボランティアで拾われた子や、散歩中についてきた子。
そんな猫たちを引き取るうちに、町田家は猫だらけになっていた。
人間関係の難しさは猫界でもあり、ストレスであっという間に毛並みが悪くなる子やマーキングが激しくなる子など、個性あふれる猫たちとの生活を描いたエッセイ。
所々はさまれる猫の写真に和む。
保護された猫にとっては町田家はどんな世界なのか。
野良じゃなくてもストレスはあり、かわいそうな気もするけれど、世話に手を抜いているわけではないことがよくわかるのでそれでいいと思う。
人気のエッセイシリーズのようなので支持はされているのだろう。
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2014年03月04日 読了
公にはされていない、警察内の組織「次世代犯罪情報室」。
眠ったままの美しい少女が夢見る犯罪の夢は、これから起こる殺人。
100%の予知をする少女の夢を解析して、犯罪を未然に防ぐ組織にいる者たち。
眠れる美女と、その少女に恋する少年と、犯罪組織と。
スピード感があって、大がかりな犯罪にもつながり、この人の本にしては読みごたえはあった。
でも映画「「マイノリティレポート」と同じ。
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2014年02月26日 読了
生活のため手話通訳士になった荒井。いくつかの仕事の後、法廷での通訳を頼まれる。かつて警察の事務員だった過去を持つ荒井。そこで経験したある事件が時を超えてまた荒井の前にやってきた。
いろんな立場から見た、ろう者、手話、聴者。
なるほどと思ったり、考えさせられたり、驚いたりと、色んな場面があって興味深かった。
「聞こえない」にも色んな分類があって、それぞれの思いがあるのはわかるけど、その違いは他者にはわからない。
主人公が家族から受けてきた扱いが一番切ない。
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2014年02月22日 読了
街から逃げ、日本一の過疎の村と言われる南鹿村に引越してきた、司法書士の久我原。古い料理屋の跡地で開業した久我原のところには、タヌキがやってくる。
第32回小説推理新人賞受賞作。
落ち着いた語り口調のため、難しそうな法律関係のこともゆっくり考えながら読めるので理解しやすい。
そのうち色んな人間関係が見えてきて、それだけは都会でも田舎でも変わりはないのだとわかり、仲間とのつながりも戻ってきて嬉しくなる。
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2014年01月27日 読了
「風待ち小路」と呼ばれるその通りには、絵草紙屋、生薬屋、洗濯屋といった小さな店が軒を連ねていた。
そこに住む者たちの、思いや生き様を一つ一つなぞっていく物語。
人の思いが誰かを動かし、そしてそれもまたある人と繋がる。
そんな出来事が少しづつ語られ、小さな「風待ち小路」に春をもたらす。
深刻で辛い出来事もあり、どうしようもないこともあるけど、最後は穏やかな気持ちになれた。
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2014年01月23日 読了
きれいになりたい、思い通りの体になりたいと思う気持ちは太古の昔からあり、それを少しづつ実現してきた。
今、「ビッキー」という企業は美容と医療を組み合わせ、あたらしい人類をプロデュースしていた。
美容整形、人体改造、アンチエイジングを売りにしてきたビッキーは、その技術を海や宇宙にまで広げる。
理想を実現するためには、ここ(地球)じゃ狭すぎると。
現在の美容からの続きが、とてつもない世界へと広がるSF。
夢か狂気の世界へのめりこむような話。
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