骨の記憶


2009年05月27日 読了
 人生の終焉を迎えようとしている夫婦。
癌に冒された夫を心の底からいたわり、看取るつもりでいた妻のもとに送られてきた一つの小包。
 そこから物語は始まる。

 ・・・・と思ったらいきなり時代が巻き戻り、しかも主人公が入れ替わった!
 
 小包の送り主が送った一生を子細に語り、死を前にしてやり遂げた事とは。
 貧しい出の少年が勝ち組へと上り詰める過程が細やかに描かれていて、心の動きまでしっかりと見えてくる。その一生が物語のほとんどを占め、ざくざくと読めるので気持ちがいい。
 プロローグの老夫婦につながるまでは見事だが、エピローグは納得がいかない。愛憎は表裏一体とはいえ、一人の人の性格がこうも変わってしまうものかという疑問。まだやることがあると思いつくが、それに辿りつく感情もなおざりで物足りない。彼らの人生はどんなものだったのかが全くわからないために、その愛情と恨みの深さが全く想像できないからだ。
 全体的にはおもしろかったし満足だけど、最後でコケた感が否めないのが残念。

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カフェ・コッペリア


2009年05月23日 読了
 近未来、様々な技術により生活が変わっても人の心の動きはさして変わらない。
 人間とAIが恋愛相談にのってくれるカフェ、アロマペットを手に入れたOL,先端技術を駆使した美容院などなど。。。

 ささやかな日常だけど少し苦しい、そんな場面を切り取った作品。
 個人的には「エクステ効果」と「笑い袋」が面白く読めた。ただ他の作品については中途半端であるような気がしてならない。読み終わったころには内容を忘れてしまっている。

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中空


2009年05月23日 読了
 数十年に一度開花し、その後一斉に枯死するという竹。
その花が一斉に咲き乱れる様を写真に収めるため訪れた村では、不思議なルールと習慣で成り立っていた。
 そしてそこで起こる奇妙な出来事。

 プロローグの前に書かれた注意書きを読んだ時点である種の嫌悪感が生まれた。
 続きを読むかどうかを迷ったが、淡々と進められる内容からはそれほど嫌な感じはうけなかった。

 村の象徴である竹が最後に見せる表情。その竹と運命を共にしたような村。切なさを残しながらも一つの解決へと導かれた話はきっちりと収まっている。それで充分か。

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セカンド・サイト


2009年05月17日 読了
 第20回サントリーミステリー大賞受賞作。
キャバクラのボーイである主人公が、キャストの女性たちの間に流れる暗いしがらみを辿っていくうちに出くわす事実。
 最初はストーカー被害の相談だったり連続通り魔事件への危惧だったりしたものが、やがてすべてを繋げる大きな輪の中に取り込まれていく話。

 ミステリーというだけあって、最初は些細なことが次第に大事へと発展していく様は見事。
 満足度は低めに設定したけれど、初作品なら上等。
他の作品も是非読みたい。

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山猫


2009年05月16日 読了
 恩師だった人が殺された。
フリーのライターである主人公に依頼された窃盗事件の、初めての被害者。
 「山猫」と名乗るその窃盗犯を追っていた主人公の前に、本人が現れた!

 八雲シリーズの作者らしい文で、豪快に読める一冊。
八雲に比べると下ネタも豪快。

 でも清々しいくらいの展開で見事に終わらせてくれる。
不快な余韻を一つも残さないのは上手い。

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夜を守る


2009年05月10日 読了
 上野、アメ横で暮らす4人の幼馴染。少年たちがある日出会った老人の話がきっかけで、夜のパトロールを始めた。
街が少しでも良くなるように。。。

 少年たちが出会う人たちや事件、その雰囲気はIWGPと同じ。
作者の文章と世界は、健在。
無理をせず、目の前のことを一生懸命にやる。
そんな少年たちの小説が多い作者らしい作品。

 この人の作品を読み始めたころは、主人公たちと同世代だったはずなのに、今では私のほうが超えてしまっている。
それでも読んだ後は、そのころと同じように満足している。

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少年検閲官


2009年05月06日 読了
 書物の所有を禁じられた世界。書物を隠し持つ者はすべからく駆逐されてゆく。人々は「犯罪」の意味すら知らない。

 失われた「ミステリ」を求めて旅をする少年と、書物の検閲をするために育てられた少年たちの探偵物語。

 物語半ばまで、全くテーマが見えなかった。何に注目させたいのか、いまひとつ主旨がわからないまま半分まで過ぎて、やっと検閲官登場。タイトルにたどり着くまでが長すぎる。しかも主人公は検閲官じゃない。確かにミステリで、事件もあって解決もするけど、いまいち盛り上がりに欠ける。
 事件の真相は納得できておもしろいけど、半分で済んだんじゃ?

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百万の手


2009年05月05日 読了
 作者初の現代小説。「しゃばけ」シリーズが面白かったので読んでみました。
なかなかに現実離れしていて、その辺は妖怪モノと通じるところがあるけれど、こんな事件は現実にありそう。少し重いテーマだった。
 きっかけになる登場人物の中途半端な扱いにちょっと困惑した。
 
 それでも全体を通して読みやすい文章で、一息に読み進められた。なかには酷評してる人もいるけど、私は充分満足できました。

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永遠の森―博物館惑星


2009年05月04日 読了
 どうにかして月を地球と同じ軌道上にもってこれたら住めるようになるんじゃ。。。

 昔、こんなことを考えていました。

 この本はそんなイメージに似ていたので思わず手に取った。
「地球の衛星軌道上に浮かぶ巨大博物館」
女神の名を冠した各部署、脳内手術によりデータベースに直接接続できる主人公たち博物館職員。

 先端技術と美術品という、新旧の美をうまく取り混ぜた作品。でも短編集で解決も早いため、ちょっと物足りない。
 最後の章が美しく締められているのでまとまった1冊となっているが、この設定で長編だとかなりおもしろいものが出来ると思う。

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永遠の森 博物館惑星 [ 菅浩江 ]
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星の綿毛


2009年05月02日 読了
 叙情SF小説。大地が砂に覆われている世界、7本の脚を持つ蜘蛛のような甲殻生物に乗り、マチからムラへとドウグを売りに来る交易人。ムラではハハと呼ばれる銀色の巨大な装置が種をまき、それに寄生するように人々が暮らす。
 SFの世界にどっぷりとつかることができ、現実を忘れ一時、美しい夢を見た気分です。注目すべき人物が誰なのかをさらりとかわしながら淡々と語られる文が印象的です。

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