2017年03月01日 読了
同じ大学の研究室の3人が誘拐され、翌日には解放されるという奇妙な事件が起こる。しかも3人とも、「呪い」をかけられたと話し、数日後にはひどい頭痛を訴えて救急搬送されていた。
久しぶりのSTシリーズ。
呪いの効果、そして寄生虫の話自体は新しくないしすでに知っている事項。
でもそれをつなぎ合わせて事件にし、科学的に解明しようとするSTチームのキャラクターが楽しい。
2時間あれば読める本で、ちょっと物知りになった気分になる。
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読書と編み物の記録
2017年本文作成
2017年03月01日 読了
同じ大学の研究室の3人が誘拐され、翌日には解放されるという奇妙な事件が起こる。しかも3人とも、「呪い」をかけられたと話し、数日後にはひどい頭痛を訴えて救急搬送されていた。
久しぶりのSTシリーズ。
呪いの効果、そして寄生虫の話自体は新しくないしすでに知っている事項。
でもそれをつなぎ合わせて事件にし、科学的に解明しようとするSTチームのキャラクターが楽しい。
2時間あれば読める本で、ちょっと物知りになった気分になる。
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2017年02月26日 読了
アメリカ図書販売協会(ABA)の年次大会で、ある作家がシャワー室で死んでいるのが見つかる。転んで頭を打った様子だが、死体を発見した友人のダライアス・ジャストは、殺人を疑う。
現代の小説ではあまり見ない、脱線や回りくどい説明が多いタイプ。
でもそれが、鬱陶しいとかつまらないと思わせないで素直に読ませる。それは最近ではほとんど出会わないので新鮮で楽しかった。
第一発見者のダライアスが、探偵ほどではないが疑問点を追及せずにはいられないと行動を起こし、真実を手繰り寄せる。最後は賭けのような危なっかしい行動だが、それが警察や探偵とは違うやり方といった感じで何とか切り抜ける。
作者本人が脇役として出てくるのも面白い。
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2017年02月22日 読了
元外交官のレルヌ大公は、ある日拳銃自殺する。
残された娘のコラは、父の死によって急に明らかにされた自分の出生の秘密に振り回されることになる。そして、ロンドンで知り合い、友となった4人の男たちの正体がわかる頃、ルパンは最後の恋の結論を迫られる。
話題になった時には縁がなく、今やっと読めた。
推敲の途中らしい突飛さがあり、何度か行きつ戻りつして流れをつかみながらだったが、その分楽しめた。ジャンヌダルクやナポレオンとかが絡んで話が大きくなると胡散臭くなりそうだと心配したが、最後にルパンは大きなものを得て満足して終わる。
最初と最後の物語が同時に読めて、大変満足した。
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2017年02月18日 読了
花簪職人の忠吉は、修行をしていた師匠が急死した後、店を追い出された。
長屋の店賃も払えなくなり、露頭に迷った忠吉を、幼馴染で僧侶となった大吉に拾われ、幼い頃過ごした寺に厄介になることになった。
寺男としての仕事と、「話を聞く」仕事をすることを条件に。
自分から働きかけることが下手で、煮え切らず、口下手で頼りないという情けない主人公だが、得意とする花簪で人の心を解きほぐそうと苦心する。
忠吉の代わりに怒り、行動する大吉と、二人を導く和尚、そして小さなさちとそらがこの物語に深みを持たせているが、忠吉は主人公の癖にあまりに何もない。簪と同じ小道具くらいにしか感じられない。
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2017年02月16日 読了
忠次たちが住む溝猫(どぶねこ)長屋には、最年長の男の子たちが祠を毎朝お参りする決まりがある。
その訳は。。。
祠の不思議な力のせいで、たいていの子供は早々に逃げ出すのだが、今年の子たちは違った。
一つ解決してもそれは続き、いつしかすべての幽霊たちの訳がつながる。
4人の個性的な子供たちの掛け合いが楽しい。
特に「・・・お歩」は何度思い出しても笑ってしまう。
幽霊話でこれだけ楽しいのも珍しい。
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2017年02月15日 読了
休暇を取るように上司から命令されたロベルトと平賀。
代理で出席した式典の帰り、そのままカリブ海のクルーズで休暇を過ごすことにした二人だが、その舟の前に、突然巨大な十字架が出現した。
さらに次々と死人が出る事態となり、二人は休暇を辞めて調査に入る。
逃げ場のない船上で、奇跡と殺人事件という二つの謎に立ち向かう二人。
今回は奇跡調査よりも事件調査がメインで、最後は悪がそのままに過ごされてしまうというすっきりしない終わりとなった。
次回への布石とするには後味が悪く、期待が膨らむようなネタもでてこなかったので残念。
ローレンの名前が出てきたくらいか。
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2017年02月10日 読了
江戸で人気の上菓子屋。
晴太郎と幸次郎の兄弟、それに笑い上戸の職人茂市の3人で営む小さな菓子屋だが、菓子作りにしか興味がなかった兄の晴太郎が恋をする。
人に恵まれ、苦労もしながらやっと人気が出てきた二人の店。
見た目もきれいでもちろん美味しい菓子の描写や、それを食べて顔をほころばし、頬を緩める人々の顔がとても優しく微笑ましいため心が和む。
前作を読んだのはずいぶん前だけど、読み始めてすぐ記憶が戻った。
読み終えると晴れやかな気持ちになる。
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2017年02月08日 読了
海沿いの街に暮らす主人公の杏は、夢見がちで物語を書くのが好き。
いつも海辺でノートを開く。
ある日、椅子職人を目指すクラスメイトの彗斗が「高校を辞める」と言い出した。
そんな時、杏の親友である翠が行方不明になる。
黒猫シリーズより数段読みやすい。
そして嫌味じゃない気障加減の彗斗が、甘さを醸し出していた。
ただ、翠の位置がなんだかしっくりこない。
人の死が異常に軽い。
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2017年02月08日 読了
新大陸で澄香を決めたヴィクトリカと一弥。
家具をくれるというご近所さんのところを尋ねると、玄関には謎かけのチェス盤があった。
謎を解き、家人のおばあさんに招かれると、悪戯好きな建築家だったという夫の話をしてくれた。
その悪戯好きな建築家が残した、セントラルパークの謎を、ヴィクトリカたちは追う。
パズル的な要素が多かった今回は、いつもよりも軽かった。
ヴィクトリカと一弥のくだらない掛け合いも、微笑ましいというより引く。
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2017年02月05日 読了
第10回『幽』文学賞短篇部門大賞受賞。
夫を事故で無くし、義母から「人殺し」と罵られることから逃げ続けている柚子は、夜な夜な不定期に訪れる異世界の人々と闇の取引をしていた。
暗く静かな語り口で、大きな恐怖はないけどうすら寒い夜の出来事を描いている。
薄汚れた着物を着、判別しにくい言葉を話す闇の者たちが欲しがるのは、こちらの世界ではありふれていて、ゴミとして捨てられるもの。
価値観の違いから成立し、時に恐怖を感じることもあるのにやめられない取引。
現実から離れた世界へ引きずられる感じがリアルで恐ろしい。
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