2017年07月06日 読了
大学院生の羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」の研究の一環として、認知症グループホーム「風の里」を訪れた。
そこには、個性豊かで様々な症状の認知症の入所者6人と、仕事はできるがどこか諦めて表情を消すスタッフがいた。
表紙からもタイトルからも中身が想像できず、とりあえずホームの現状にあまり興味を持てずにいたが、全く意思疎通のできないと思われていた一人の入所者のつぶやきがひっかかって、ふとしたことで出会った闇を抱える少年とともに大きな事件を暴き出す。
どんどん引き込まれ、最後は手を止める事が出来ないほど。
ホームの話がこんなところに飛ぶのかと驚いたが、結局口伝の話ではなくなった。法医学の話のように、民俗学の追及へは向かわないまま終わったのが残念だけど、夢中になれるところはかわらず。
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