人気テニスプレイヤーを殺した「サンドマン」を追うスカーペッタ。
ドクター・セルフに振り回されながらも、ルーシーの力を借りてなんとか真実を探り出す。
意外な血縁関係が明かされる。
でもスカーペッタはもう検死をほとんどせず、証拠品の調査の方に力を入れているよう。
そしてベントンからは指輪をもらったのにすれ違う日々。
唯一ブルが固い雰囲気を和らげてくれた。
「再考し、配役を変え、一新する」という作者の言葉は、作品に魅力を足す結果にはならなかったようだ。
マリーノが心配。
読書と編み物の記録
2020年本文作成
人気テニスプレイヤーを殺した「サンドマン」を追うスカーペッタ。
ドクター・セルフに振り回されながらも、ルーシーの力を借りてなんとか真実を探り出す。
意外な血縁関係が明かされる。
でもスカーペッタはもう検死をほとんどせず、証拠品の調査の方に力を入れているよう。
そしてベントンからは指輪をもらったのにすれ違う日々。
唯一ブルが固い雰囲気を和らげてくれた。
「再考し、配役を変え、一新する」という作者の言葉は、作品に魅力を足す結果にはならなかったようだ。
マリーノが心配。
女子テニス界の人気者だったドリューが遺体となって発見された。
その様子は異様で、眼球がくりぬかれ、砂を入れられたうえで接着剤で瞼をくっつけられており、さらに複数個所で肉がえぐり取られていた。
イタリア政府から依頼を受けた法医学コンサルタントのスカーペッタは、ベントンと共に調査に乗り出す。
もう過去の話となると思っていたベントンの脳の研究や、ドクター・セルフまで再登場してきた。
セルフとベントンのかみ合わない会話に息苦しくなり、マリーノの壊れ具合は痛々しくて見ていられない。
一貫してまっとうな人物であったローズにまで災難が訪れ、読んでいて気が滅入ってくる。
この雰囲気をがらりと変えてくれる人物が登場してきてほしい。
使用糸:ハマナカ ソノモノロービング (92)
毛糸ZAKKAストアーズ ごきげんWool(07)
編み図:おうちニット vol.4 より
「アクセントカラーのプルオーバー」 510 g
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松井須磨子の舞台が忘れられず、女優になると決心した繁。
夫と子供を残して東京へ向かい、劇団でキャリアを積み、人気を得る。
女優・伊澤蘭奢の人生を、4人の男の目から描く。
一大決心をして上京し、あくまで舞台にこだわり、40歳で死ぬと言い、愛人や息子との時間を楽しんだ女性。
いろんなことが起こるが、まるで教科書のように淡々と紡がれるだけで、そのうえ4人から見た彼女像ということもあり、
印象が一貫しない。
さほど活躍したようにも見えず、「二十歳になったら死ぬんだもの」と言っていた駿雄の友人の妹のほうがよほど印象深かった。
怖い話を聞かせるか、実際に幽霊が出るというところに行って確かめると飯代がタダになるという飯屋「古狸」に通う桧物職人修業中の虎太。
押し込みで皆殺しになった家に肝試しに行った若者3人のうち、一人が行方不明になったという話を聞いて、虎太はその家に泊まり込むことになる。その夜、死体が埋まっている夢を見た虎太。すると本当にその場所から男の遺体が発見される。
本当は怖いことが大嫌いな虎太が、今度も怖い思いをさんざんする。
しかしちょっとは慣れてきたのか、怖がるついでにいろんな情報まで手に入れている。
怖いながらもちゃんとおかしなことをやらかす虎太は見ていて楽しいが、皆塵堂と溝猫長屋と同じテイストなのでそろそろ飽きてくる。
遺体の体内から見つかった薬莢は、2年前に押収されたショットガンだった。
殺される直前には、庭のグレープフルーツの木に今はもう使われていない印をつける不審な人物が目撃されている。
また別のところでは、ベントンが調査していた被験者である囚人のDNAが、ルーシーが探していた魅惑的な女性と一致したりと、不可解なことが続く。
ひどい経験が起こした人格障害が、今回のカギ。
不審な行動をする人物が多くて混乱したが、みな同じ要因だったことで納得はいくが、すっきりしない。
突然終わる結末が、すべてを解明されたわけではないような気がするためで、せっかく複数の人の目線で書くことに変えたのに、スカーペッタやベントン側以外からの解釈がされずに終わっているせいである。
書き方を変えたのは犯人側からの目線を盛り込むためではなかったのか。
使用糸:ハマナカ ソノモノロービング (92)
編み図:太糸あったかニット より
「まっすぐ編みのカーディガン」345g
元FBI心理分析官ベントンは、収監中の殺人犯の脳を調べることで、殺人犯の心理を知ろうとしていた。
面談のなかで未解決事件の手がかりを得た彼。そして、発見された惨殺死体に残された手形と、手形を付けた女と出会ったルーシー。
それらのつながりは。。
会話のかみ合わない殺人犯と向き合うのは、さぞストレスのたまることだろう。
スカーペッタの影が薄くなったかわりにマリーノは頑固さが濃くなり、ルーシーは大きな悩みを抱えていて、どんどん混沌としていく。
ルーシーは恋人も仕事の相棒もころころと変え、目まぐるしく移り変わる視点と共に混乱が大きくなる。
いつものようによくわからないままの前半。
死因不明の少女の口に残っていた微物と、その2週間後にトラクターに轢かれて死んだ成人男性の遺体に残っていた微物が同じものだったことで、ミスでなければ何らかの関連があるとして調べ始めたスカーペッタ。
次第に気づき始める不穏な監視者の元へ、スカーペッタはマリーノとルーシーの手を借りて乗り込んでいく。
今回はマリーノが大した失敗をやらかす。
そのおかげで得たものはマリーノの大嫌いな変態たちの性癖の情報だった。
彼はいつも損な役ばかりな気がして気の毒になる。
そしてこれまでの性格異常な犯人とは違い、陰湿に思い詰める犯人だったせいで、マリーノが得意な追い詰め方をした。
この事件はマリーノのための事件だったのかもしれない。
ところで、伏線としていろいろ張られていた出来事は大きな絡みにもならず、やっぱりいらなかったんじゃないかという気もする。
法医学コンサルタントのスカーペッタは、かつて自分が就いていたリッチモンドの現検屍局長・マーカスから、1本の電話で呼び出された。
死因不明の少女の遺体を調べるためだったが、かつての検屍局は取り壊されようとしており、スカーペッタは衝撃を受ける。
そして、一見関係のない事件だったトラックに轢かれて死んだ男性から取った微物が、その少女にもついていたことがわかる。
これまでで一番薄い。印象も、内容も。
誰にも焦点を当てさせないような書き方は新シリーズになってからだが、そのせいかどこにも着目させず、誰もが無駄に長引かせようとしているよう。
やっと微物に気を向かせることができて、事件が進み始める。