豆は煮えたか


 深川佐賀町の水茶屋「ささげや」の女将・お玉。
彼女には裏の生業がある。それは人の掌から「人生の束の間が観える」というもの。
看板も挙げておらず、宣伝もしてはいないのに、口コミで信用できる人が時々訪れては、将来を占っていく。
そんなお玉と出会う人の中には、同じように勘が鋭かったり人が気づかぬことをよく観察していたりする者がいつの間にか集まっていた。

 ちょっと変わった特技を持つお玉。
お玉の噂が易者たちを不安にさせたりもするが、総じて悪意を持つものは近寄ってこない。
いつしか店を譲れるほど信用を寄せる者もでき、先行きを案じていたのが嘘のような幸せもやってきて、穏やかな気分で終われる。

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。