シェルター


 小さな安らぎを与えてくれるシェルターのようなカフェで、10代と思われるとても奇麗な女の子に声をかけられる。
行く先もなく、帰るところもないと心細げな彼女を、恵は拾ってしまう。
恵自身も、都会から逃げてきたのに。
 その出会いから始まる、守りたい事と逃げたい事の葛藤が、恵と彼女を行方不明にさせる。

 豪快な整体師の先生のシリーズだったようだが、これだけ読んでも充分不自然じゃない。
過去に後悔を抱える姉妹と、同じく過去に因縁を抱える兄弟弟子。
そこにふわふわした一人の男が混ざった時点で、とても柔らかい雰囲気の物語となっている。
過去の重さに似合わない軽さであっさりと読めるところは良いが、すぐに忘れてしまいそうなくらいキャラクターたちの個性も軽かった。

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