探偵は友人ではない


 海砂真史には変わった友人がいる。
敢えて学校には行かず、興味の向くままに暮らす、とても頭のいい友人・鳥飼歩。
バスケ部で2年先輩の鹿取さんと街で偶然出くわし、彼が突然疎遠になった友人とのことがずっと気になっていると聞き、真史はその相手が歩だと気づく。
二人を仲直りさせたい真史は、仲たがいの理由の謎を歩に聞くことにした。
 なぜかとても真史を慕ってくる後輩の家が営んでいる洋菓子店が作った、お菓子の家が当たるクイズ、美術室での教師の不思議な行動など、日常の疑問が気になってつい歩に相談してしまう真史。おかしな謎と不思議なふたりの関係。

 「探偵は教室にいない」の続き。
中学生のくせにやたら頭が良くて、素直じゃない歩の素顔がちょっと覗く瞬間がいくつかあり、それを見るととてもうれしくなる。
興味のある事だけに反応する歩だが、決して冷たいわけじゃないし、ちゃんと真史のことや周りの人たちを気遣ってくれるから、近づきたくなる真史の気持ちがよくわかる。
彼が大人になったらさぞ憎たらしい探偵になるだろう。

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