遺書配達人


 棟居刑事は出張先の四国霊場の遍路宿で一緒になった男に興味を持つ。その男は、行路病者やホームレスの遺書を遺族に届ける旅をしているという。
その日持っていた遺書は、新宿で襲われて死亡したホームレスで、娘に渡すはずだった1点物のネックレスが盗まれていたのだった。
東京に帰ってきた棟居が、コンビニ強盗事件の防犯カメラを見ていたところ、被害にあったコンビニの店員の女性がそのネックレスをしていることに気づき、棟居は関連を疑う。

 棟居が旅先で、出張先で出会う人とのやりとりが、事件につながっている。
それらの事件はきちんと解決もするのだが、棟居は別の真実を想像してしまう。
それはちょっと恐ろしい真実で、時には無理やりな事件もあるが、おおむね納得できてしまうため怖さが残る。
イヤミスとは違うので読後感は悪くないが、ちょっと人の裏の顔を覗き見る感じで人間不信にもなりそうだ。

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