2013年03月21日 読了
霊感でも超能力でもなく、ましてや不思議ちゃんでもない。
「不思議体質」をもつ女の子・君枝。
どうしてもたどり着けない教室があったり、いきなり空を飛べたり、誰にも理解してもらえないことばかり起こる。
しかもかなり迷惑なその体質を理解してくれたのはただ1人、幼馴染の陸だけだった。
1人の少女の成長に合わせて起こる、ひと時の不思議。
荒唐無稽でやりすぎなくらいの出来事は、まるで絵本のよう。
でも最後は、こうゆうのもアリかなと思えてしまう。
|
読書と手芸の記録
2013年03月21日 読了
霊感でも超能力でもなく、ましてや不思議ちゃんでもない。
「不思議体質」をもつ女の子・君枝。
どうしてもたどり着けない教室があったり、いきなり空を飛べたり、誰にも理解してもらえないことばかり起こる。
しかもかなり迷惑なその体質を理解してくれたのはただ1人、幼馴染の陸だけだった。
1人の少女の成長に合わせて起こる、ひと時の不思議。
荒唐無稽でやりすぎなくらいの出来事は、まるで絵本のよう。
でも最後は、こうゆうのもアリかなと思えてしまう。
|
2013年03月19日 読了
江戸・吉原、廓の女たちの物語。
格子の向こうからただ眺めているだけの貧乏侍や、幽霊が出ると噂の部屋、復讐を目論む女。
いろんな身の上が少しづつ語られる短編集。
切ないだけで救われない女たちの世界のようで、それでも少しは報われることもあり。
泣く女がいることで、苦界の話も気持ちのいい後味になった。
|
2013年03月17日 読了
脳梗塞で倒れた父に代わり、園芸業を営む主人公・蔵本翔の元に突然知らされた、2年7カ月前に別れた元妻・野々宮夏海の死。
忘れることも許すこともできなかった過去と、妻だった女の死をきっかけに、世の中のために働くNPO組織を隠れ蓑にした犯罪を追うはめになる。
主人公は暴力や脅しをうけながらも、かつての同僚や近所に住む少年に助けられながら黒幕に迫る。
『水上のパッサカリア』の大道寺勉と似た性格の主人公で、淡々と思いを綴っていく。
そのため、感情移入してはらはらするのではなく、大胆すぎる行動も熱くなりすぎずに傍観者として見れる。
|
2013年03月14日 読了
川辺で釣りをしていた少年たちが侍の屍体を見つけ、その後子供たちは次々と死んでしまう。
その頃、手習塾の娘は狐憑きだという噂も流れており、さらに夜中にうろつく不審な影にも悩まされていた手習塾の師匠は、左門に相談を持ちかけた。
剣術師範候補の甚十郎に手伝わせて張り込みを始めた左門。
ひどい怖がりのためこれまでいくつもの縁談を断られてきた甚十郎も、少しずつ頼もしい面が見られるようになってきた。見合い相手まで見つかり、これで彼も一人前かと思い始めていたら、やっぱりそうはいかなかった。
素直に怖がる甚十郎と、それを笑いながらも認めている周り者のたちの、あんまり怖くない幽霊話。
このシリーズはいつもわくわくする。幽霊話なのに。
|
2013年03月12日 読了
ひっそりと佇む百姓屋に、幽霊が出るという噂が左門のところに入ってくる。
そこは人死にが続き、持ち主が変わっても次々と死体が転がるので幽霊屋敷と評判だった。
いつものように様子を見に行った左門は、「あれは本物だ。近づかないほうがいい」と言って興味を亡くしたようだったが。
幽霊屋敷を買おうとする者たちに、一晩泊まって噂は本当かどうか確かめてほしいと依頼されてしまう鉄之助と甚十郎。
いつもなら生き生きと顔を突っ込む左門がいないせいで、とんだ災難に見舞われるのだが、左門は本当はいろいろと気付いたらしい。
人物の関係図がややこしいのでたびたび戻りながら読むことになったが、却って疑問や時間のずれなどを考えることができて楽しく読めた。
左門は頼もしく、甚十郎は成長が楽しみ。
|
2013年03月09日 読了
あちこちの雑誌や新聞に書いていたコラムを集めたエッセイ集。
一つ一つが短めで、ちょっとした空き時間にも気兼ねなく読める。
しかし、自分のことを「私」と言ったり「俺」と言ったり、いちいちまとまりがないので、三浦しをんという人の人物像が一貫しないためすごくわかりにくい。
エッセイに共感できるかどうかは、小説に共感できる率より確実に少ない。
私にとってはほとんど素通りだった。
|
2013年03月07日 読了
ロベルトはその日、図書館へ向かう。毎年、その日には必ず。
話すことができず、神を信じることもできず、「問題のある子」として周囲から疎んじられていたロベルトに、一つの出会いが訪れる。
平賀とロベルトの出会い、二人の上司であるサウロと、サポート役のローレン、そしてジュリア司祭、それぞれの過去。
今回は平賀たちの活躍は語られず、短編。
ロベルトがより愛しく感じられ、ローレンは微笑ましく、サウロの偉大さに納得し、ジュリアの生い立ちが気になってしょうがない。
そして悪魔の子の名前も。。。
|
2013年03月05日 読了
今にも倒れそうなおんぼろ長屋に住む、貧乏人たちの日常。
大店をだまし取られた兄妹、身長差のありすぎる駕籠かき、下手と評判のあんま。
長屋に住む、何かと気になる人たちがちょっと困ったことになった時、日がな一日飲んだくれている浪人が知恵と力を貸す。
近頃急に江戸ものの小説が増えた気がしていたら、その通りのようで。
これもありふれた貧乏話だけど、強面の浪人がとても味な役で面白かった。
落ちぶれても武士の赤目勘兵衛の粋な立ち回りが、ほっこりとする良い読後感を残す。
|
2013年03月03日 読了
元大物政治家・大堂剛の事務所で働いている聖は、就職活動を始める。
しかしエントリーしてもいない会社から内定通知が来たり、半年のインターンが2カ月でクビになったりと、おかしなことがとまらない。
シリーズ2巻目。
食わせ者の大堂は、面倒なことは嫌いだが暇も嫌いで、周りの物を振り回す。
それに鍛えられている聖は、めったなことでは負けない。
今回も、聖を困らせようとする者たちには必ず意趣返しをする。
その強さと臨機応変が頼もしい。
|
2013年03月01日 読了
代々木公園にある都市伝説。
3月の最後の日曜は、誰かが姿を消し、代わりに誰かが現れる。
楽しげな表紙とは裏腹に、どんどん人が死んでいくホラーな内容におののきつつ、それでもなんだかコメディのようで、さらさらと読める。
複雑に入り組んだ人間関係が、最後はひらりと解けるのではと思っていたが、きちんと伝説通りになった。
しかも後味は悪くない。
|