旧友は春に帰る


2013年08月01日 読了
 旧友のモンローから、「お願い、助けて」という電話。
25年ぶりの美しかった友は、老けていた。

 北海道から逃がしてほしいとモンローから言われた<俺>は、あちこち手をつくして逃がしてやった。
それで終わると思っていた<俺>だが、その直後から正体不明のトラブルに巻き込まれる。

 古い名前が出てきて懐かしい。登場人物も年を取った。
同じようにとはいかないけど、年の分頑固にも賢くもなった<俺>が北海道を逃げ回る。

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くるすの残光 いえす再臨


2013年07月16日 読了
 天草四郎の復活を願う寅たち。
“聖遺物”を取り返す戦いを続ける彼らの前に“でうすの生まれ変わり”を称する少年が現れる。
その力で仲間と共に敵を滅ぼそうとする少年に、寅はおかしな感覚にとらわれていた。

キリシタンの戦い。

 同じようなファンタジーなのに、僕僕シリーズとは大きな違い。
こちらはなぜか白けた雰囲気がまとわりつき、熱中できないシリーズ。

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図書室のキリギリス


2013年07月13日 読了
 不思議なめぐり合わせで、学校の図書室で働くことになった詩織。
急に辞めてしまった前任者が置いて行った引き継ぎノートには、とても丁寧で優しい記録が残っていた。

 ちょっと不思議な力を持つ詩織が、だんだん司書という仕事にやりがいを持っていく。
本や、そこに残された思いの謎を解きながら。

 ところどころは面白いけど、全体としては内容が薄くて簡単すぎ。
少しの苦労も問題もないなんて、それこそキリギリス的でいいのかもしれないけど、あまりにも都合がよすぎた。

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駆けてきた少女


2013年07月07日 読了
 カップルの小さな争いにおせっかいをしたばっかりに、腹を刺されてしまった<俺>。
訴えるつもりはないが、何事もないまま終われると思われても困る。

 そんないきさつで刺した少年を探すうちに、とんでもなく大きな陰謀へと巻き込まれていく。

 きっかけと言えるかどうかもあやふやなくらい小さな出来事から、大きなことへと繋がるが、最後の大事がホントに最後にさらりと出てきてあっさり終わってしまう。
ススキノシリーズの中で、今回の<俺>の仕事は違った終わり方をしている。

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旅猫リポート


2013年06月12日 読了
ノラだった僕は、サトルに拾われて「サトルの猫」になった。
昔飼ってた猫にそっくりな柄で尻尾が7の字に曲がっていたから、名前は「ナナ」。

 猫が主な主人公として、飼い主のサトルと旅をした、切ない話。

 わりと好評価をしている人が多かったけど、私はなんだか違和感が大きかった。
猫なのに、まるでヒトが猫の姿をしているようなナナの描写に。
それを意図して書いたんだろうけど。

 あらゆる不幸と苦悩をサトルと周りの人間に与えているところも不自然すぎる。
そしてそれ以外の人間が冷たすぎる。
善と悪をはっきり分けてあり、子供向けのキャラクターばかり。

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黒い季節


2013年06月04日 読了
 父の残した一枚の絵を探す少年と、行方不明の弟を探す女が出会う。
二人は探し物を目指して旅をする。

 難しい言葉が続々と登場し、陰陽のコトワリを紡いだり鬼を住まわせたり、およそ不可思議と思われるものがこれでもかと現れる。
 読みにくいし入りこみにくいけど、一度その世界のイメージができてしまえばすらすらと進む。

 私には「天地明察」のほうが面白かったけど、この人は本来こうゆう異世界風が好みなのかも。

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探偵はバーにいる


2013年05月27日 読了
 北海道ススキノのバーを拠点に探偵をしている<俺>。
今日もバーに電話がかかってくる。

 大学の後輩から、同棲している彼女が帰ってこないという。
くだらないことと思いつつも断れず探るうち、とあるホテルで男が殺された事件に繋がってしまう。

 小さな出来事が次々と広がり、伏線ばかりで混乱していると、全てが繋がる。
でもワカリニクイ。方言と、まわりくどい説明。

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パンドラの火花


2013年05月24日 読了
 死刑が廃止された。その時国は、それまでに死刑の判決を受けていた者たちの処遇に困ることになった。
 そして政府は、死刑判決を受けた囚人に「犯罪を犯す前の過去に戻って、自分を説得して来い」と命じる。
 過去へタイムトリップをして、犯罪を起こさせないようにすれば、死刑囚は死刑囚でなくなる。

 3人の死刑囚が過去でどんな行動をするのか。事件は回避できるのか。
パンドラの箱を開いた人類の話というより、メビウスの輪といったほうが近い。
似た話はたくさんあるし、だらだらと長い。

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筋違い半介


2013年05月21日 読了
 筋の通った話は大嫌い、と半助は旗本である家を飛び出し、こともあろうに岡っ引きとなた。
 凶作で飢える村人をよそ眼に、こっそり米を食っていた村役の家に、村人たちはある目的で忍び込む。

 突飛な登場人物で思いもよらないことをしでかす、短編集。
でも後半に行くにつれ、勢いは薄れていくように感じた。

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つくもがみ、遊ぼうよ


2013年05月14日 読了
 江戸で損料屋をしている「出雲屋」のお紅と清次。
今は夫婦になって子供もいる二人の店は、つくもがみがたくさんいるために騒がしい毎日を送っていた。
 子供の十夜は、二人の幼馴染と共につくもがみ達と仲良くなり、新しい仲間の双六と勝負を始める。

 お紅と清次のはすっかりわき役になった。ご近所のやっかいごとに首を突っ込む子供たちの無茶を叱りながらも、つくもがみ達と少し距離が近くなる。
微笑ましい。

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