兄と弟、あるいは書物と燃える石


2016年03月02日 読了
 ある種の人にとっては崇拝と言っていいほどの熱狂的なファンを持つ作家。
その分批判も多いその作家が書くものは、現実で身近にいる人の名前をそっくり使い、現実と虚像をがするりと入れ替わるような文体で、夢の中で夢をみているような複雑な入子状態の小説。
 その中で奇妙に一致した部分がさらに周りを混乱させ、夢と現の境目をなくしていく。

 繋がっているようで途中から小説の中だったり、登場人物と現実の人格がいつしか入れ替わるような、不思議な世界。
まさに夢の中の様で、つじつまが合っているのか考えようとしても、それもどこからか入れ替わっていたりと、万華鏡のようなめまぐるしさで翻弄させる。

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