2019年02月25日 読了
春、帝の寵愛を受けた梨壺の更衣が出産のため実家に戻ってきていた。
今にも生まれようという時、宗孝は不思議な怪異を体験する。
その後生まれたのは皇女。機嫌をよくした弘徽殿の女御から、皇子から引き離そうと十二の姉に縁談を持ちこむ。
春爛漫の綺麗な表紙に心が躍る。
美しい話の裏には暗躍する人もいて、なにやら気持ちも上向いた宗孝の隣では息苦しい世界を覗いた中将がいる。
初草も、宗孝も、彼の姉たちも、それぞれに幸せを呼び込んでいる季節に一人だけ、辛い思い出に苦しみ、そしてこれからの苦悩を受け止める覚悟をした中将との対比がくっきり。
今までのように、ただ気の置けない友と外歩きを楽しめる雰囲気ではなくなってきた。
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