2017年10月18日 読了
武家の娘として生まれた長沼栄津(ながぬま・えつ)は、江戸患いの母に代わって家の仕事を引き受けながらも、娘らしい悩みに追われる日々。
そして幼馴染の求婚を断り、兄の進める結婚をする。
栄津の、娘時代から五十を超える年までの人生。
ままならない人生の色んな場面が栄津の生き方を変えていき、その時々の考え方がとても正直。
不満や葛藤がそのまま描かれ、妙な正義感も同情も善人ぶった感情なども出てこないので、こちらも同意や反発がそのまま受け止められる。
実の娘にすら道理を説いて厳しくあしらう栄津は、今の世では受け入れられないかもしれないが、とても好感が持てた。身内だからと何でも許して受け止めるのは違うと、私も思う。
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