歌舞伎町、新宿二丁目、三丁目を管轄する「新宿特別区警察署」。
そこへ日着任の新井琴音警部は、小学三年の息子のインフルエンザで初出勤に送れそうだった。
夫は警視庁本部捜査一課の刑事だが、琴音の方が階級が上であることで屈託を抱えている。
琴音がなんとか出勤したとたん、管内で殺人事件が発生したので出動の号令がかかり、さらにその夜、二丁目のショーパブ上階のイベントスペースで無差別殺傷事件が発生する。
新宿二丁目という特殊な場所で起こる、性的マイノリティのために追い詰められた人たちの事件。
幹部になって初めての事件。
新しい配属先で起こる、これまでの価値観を覆される琴音。
調べていくにつれ、思いもよらない価値観と感情にあふれる琴音に、読むうちにこちらも感情を揺さぶられる。
そのうえ苦しい現実の描写が多いためこちらも苦しくなるが、読みやすいので一気に読んだ。
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