2017年01月27日 読了
限界集落となりつつある阿形県賀条郡晴太多(はれただ)。
観光名所も温泉もない、ただの田舎を再生するために若者たちが立ち上がる。
かつてここで育った幼馴染たちが、故郷のために様々な知恵を出しながら住民を増やそうとする物語。
2時間足らずで読めてしまう。
色んな問題を抱えた人たちが集まるわりに、軽めで薄い内容。
身内にばかりひたすら善人の、うすら寒い話が増えた作者。
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読書と手芸の記録
2017年01月27日 読了
限界集落となりつつある阿形県賀条郡晴太多(はれただ)。
観光名所も温泉もない、ただの田舎を再生するために若者たちが立ち上がる。
かつてここで育った幼馴染たちが、故郷のために様々な知恵を出しながら住民を増やそうとする物語。
2時間足らずで読めてしまう。
色んな問題を抱えた人たちが集まるわりに、軽めで薄い内容。
身内にばかりひたすら善人の、うすら寒い話が増えた作者。
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2017年01月26日 読了
第26回鮎川哲也賞受賞作
航空機の歴史を変えた小型飛行船“ジェリーフィッシュ”のテスト飛行中、乗組員全員が死亡するという事故が起こった。
開発者も技術者も死亡したため、軍事秘密である“ジェリーフィッシュ”には謎が多く、事故機は軍があっという間に回収していったため証拠も少ない。
王道のミステリー。
いくつもの死体があり、つじつまが合わない事象が多く、秘密も多い。
解り易いミステリーだけど、面白くて一気に読んだ。
“ジェリーフィッシュ”の神秘性がまた魅力的。
最後がちょっと納得いかない。
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2017年01月21日 読了
伊良部一郎、第3弾。
特に何もしていないのになぜか問題が解決している不思議な神経科の医師。
だけど今回はなんだか消化不良。
なんだこれからもこのままなのか、というような終わりがいくつかあり、まるで途中で飽きてしまったかのような終わり方。
タイトルの「町長選挙」も、不愉快な場面ばかりで結局そのまま。
伊良部の天啓の様なセリフはいくつか出てくるし、今回はマユミも核心をつくが、それよりも曖昧さが大きかったためか満足感は少なかった。
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2017年01月21日 読了
北千住で喫茶店〈弓島珈琲〉を営むダイは現在53歳。
仲間と共に静かな日々を送っていたが、ある日、友人の息子・智一が家出したと連絡が入る。
仲間たちと探し始めるが、智一と同じ学校で不登校がちの村藤瑠璃が、家族に怪我をさせて行方不明になっているという情報が入る。
仲間に対してはどこまでも信頼し、何をおいても助け、集まればいつでも昔の様な関係に戻れるダイたち。
それはとても仲間思いで強い絆を表しているけど、どうしても嫌悪感が湧いてきた。
仲間以外はどうでもいいというような、仲間を傷つけた者には障害が残る傷をおわせても良いという考え。
穏やかに語られるため凄惨な雰囲気はないが、よく考えたら犯罪であるようなひどいこともしている。
とても狭い世界でのみ心地よい仲間意識。
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2017年01月18日 読了
上流階級第二弾!
富久丸百貨店の外商員として仕事が面白くなってきた主人公の鮫島静緒。
ゲイの桝家とのシェアは続いているが、そろそろ期限の1年が迫ってきていた。
そんな時、桝家の実の母だという女性が訪ねてくる。
今度もてんやわんや。
桝家の家の揉め事に巻き込まれそうになり、また仕事で提案した企画が通ってしまったりと、今度も息をつくのも忘れて読み切った。
よくあるお仕事モノとはちょっと違う雰囲気を纏っているので、「またか」というガッカリ感がない。
途中、考えさせられるところが多いので何度も読み返した。
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2017年01月16日 読了
変人伊良部医師再び。
ベテランの空中ブランコ乗りが、突然飛べなくなった。
「きっと新しくやってきた奴が嫌がらせしてタイミングをずらしているんだ。」
そんなことを訴えたら病院へ行けと言われてしまう。
今度もぶっ飛んだ伊良部に苦笑いが漏れる。
個人的には夜な夜な「点」をうちに街をうろつく話が楽しかった。
完全に犯罪だけど、どこか子供の悪戯感があるのは伊良部だから。
前作より注射への変質的な執着の描写は少なかったからか、伊良部がもっと子供に見えた。
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2017年01月12日 読了
なんでもかんでも三十八文の「みとや」を営む兄・長太郎と妹・お瑛。
ある日、店じまいする絵双紙屋から引き取ってきた本に挟んであった錦絵に、お瑛は既視感を覚えた。
忘れていた幼い頃の記憶がよみがえるような感覚に、お瑛は心細くなる。
極楽とんぼの兄だが、仕入れてくる物は良い物で、周りで起こる困ったことにもするりと入り込んでいつしか解決している。
そんな兄に振り回されているようで励まされているお瑛も、ちゃんと自分の足で立とうとする力強さが頼もしい。
錦絵の疑問もちゃんと解けるが、そんな絵がお瑛のところにやって来たのはただの偶然なのか縁なのか、できすぎのような気もして気になる。
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2017年01月06日 読了
台風の接近で荒れる茅ヶ崎沖で、衝突事故が起こった。
救助に向かった海上保安庁特殊救難隊の惣領正チームは、国籍を偽証した船から3人を救出する。
ところが3人は、沈みゆく舟から荷物を取って来いと言い、惣領たちに拳銃を突き付けた。
久しぶりに刑事モノではない今野敏。
無線も壊され、孤立し緊迫するシーンが続き、手を止めることなく読み終えた。
それぞれが何かのエキスパートで、諦めず力と知恵で乗り越えようとし、さらに見守るしかない人たちの苦しさも描かれ、楽しく読めた。
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2016年12月23日 読了
男に騙されたあげく、会社も辞める羽目になった神戸美菜代は、復讐を請け負う人がいるという噂を聞いて訪ねていく。
ところが、お金がないとわかると冷たく追い出されてしまった。
当てもない神戸は、元秘書をしていたスキルで成海の事務所に居座ることにした。
イケメンだけどぐうたらで、ろくに仕事らしいことはしてないように見える。
そのうえ金がないと話も聞いてくれない成海。
さらには依頼を受けてもなにもしないというのに、印象は良く、依頼人はとても感謝する。
どの話も嫌な感じはなく、あっという間に読めてしまった。
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2016年12月22日 読了
昭和十七年五月、空襲により負傷した亀島伊介海軍一等兵曹は、軍令部特別班への転属命令を受ける。
畑違いの防諜活動に戸惑いながらも、しだいに熱が入り始める亀島だが、先を読んで裏切り、狙った相手を思いのままに動かし、自分たちの都合がよいようにと目論む周りに混乱していく。
スパイや裏切りということにすれば、どんなことでもこじつけられるような進め方で、自分の信じることすら嘘にされそうなところに嫌悪感が湧く。
スパイものとしては、柳広司のシリーズのほうが数倍おもしろい。
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