2018年09月01日 読了
東京のとある組、オヤジが妙に人たらしなため、人望も人脈も大きく広い。
そんなオヤジのところに、またある悩みが持ち込まれた。
刑事モノで登場する甘糟もまたちょっと顔を出したり、ほわっと笑わせるところもある。
ヤクザのくせにつぶれかけた銭湯を立て直すために働くという変わった話だけど、あまり現実離れしていないせいか、さらさらと気持ちよく読める。
ちょっと都合がよすぎるくらいに進むところはいつもの通り。
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読書と手芸の記録
2018年09月01日 読了
東京のとある組、オヤジが妙に人たらしなため、人望も人脈も大きく広い。
そんなオヤジのところに、またある悩みが持ち込まれた。
刑事モノで登場する甘糟もまたちょっと顔を出したり、ほわっと笑わせるところもある。
ヤクザのくせにつぶれかけた銭湯を立て直すために働くという変わった話だけど、あまり現実離れしていないせいか、さらさらと気持ちよく読める。
ちょっと都合がよすぎるくらいに進むところはいつもの通り。
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2018年08月30日 読了
刀を持つと人格が変わる手習いの師匠・蓮十郎に、かつて剣を習っていた旗本の次男・市之丞から幽霊を斬ってほしいと依頼がくる。
断られないよう、子供たちをも巻き込むという念の入れよう。
蓮十郎が幽霊を退治するまで、子供たちは江戸を離れることになったのだが。
お多恵ちゃんの思いが江戸を離れてもついてくる。
今回はいつもと何かが違うと感じる皆は、やがてお多恵ちゃんの思惑に気付く。
これでお多恵ちゃんの力も消え失せるのか。
何とか解決はしたし、普通ならこれで完結するはずなのに、続きが気になって仕方ない。
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2018年08月24日 読了
現象学者の凪田緒ノ帆は、火災で恋人を失った。そのうえ恋人のスマホには、メグミという女性の写真に設定されていた。
さらに突然現れた露木は“予現者”と名乗り、同じように火によって死んだ人の共通点にはメグミがいたと言う。
メグミの正体と事件の真相を露木と一緒に確かめることになった緒ノ帆は、露木の車で日本をめぐる。
『黒猫シリーズ』の作者とは思えないクオリティの違い。
他の作品もそうだが、力の入れようが違うのか、黒猫シリーズ以外はさして面白くはない。
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2018年08月20日 読了
紐結びの魔道師リクエンシスは、様々な結び方をすることで、お守りを作ることも、罠を仕掛けることも、怪物対峙に加勢することもできる。
普通の人よりも長い時間を生きる魔道師の生きてきた、ある場面を切り取った短編集。
『オーリエラントの魔道師たち』の中で一番印象に残っていた人物の物語。
相棒リコとの出会い、若い頃の衝動や、生き過ぎたと感じている頃の心の動きなどが、紐結びの魔法と共に生き生きと描かれていて、読み終えるのがもったいないと思えるほど。そしてリコとの別れを知った時の寂しさは大きすぎた。
同じ魔道師のカッシやケルシュの話も読みたいが、次に興味が湧いたのは<星読み>のシンドヤ。
彼女が主人公になった話も読んでみたい。
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2018年08月15日 読了
結婚を控えた亜樹だが、務めていたパティスリーを辞めたタイミングで、ばあちゃんが腰を痛めたためじいちゃんの店を手伝うことにした。
昔ながらの洋菓子を扱う店で、じいちゃんの技を盗み見しながらも自分の菓子を作ろうと頑張る亜樹の前に、客として様々な人が訪れる。
ただほんわかした話かと思ったら、妙にシリアスな現実が綴られた物語だった。
ままならない現実に、悩みながらも切り捨てることばかりを考えていた亜樹の感情が、どう動くのかと気になって仕方がなかった。
じいちゃんの粋な計らいと、あまり登場しないがばあちゃんの笑顔が印象的。
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2018年08月07日 読了
人に災いを為すものを祓う蘆野原の一族出身の正也は、いなくなった姉を待っていた。
一族の者しか入れない蘆野原の郷への入口も閉じてしまって帰れなくなり、開く方法すらわからないまま。
最後までよくわからない話だった。
前作も読んでいたはずだけど、ある日妻が猫に姿を変えるということしか覚えていない。
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2018年08月07日 読了
フランスの小さな村から、奇跡の申請が行われた。
青い鳥が歌い、盲目の少女が見えるようになったという。
平賀とロベルトは調査へ向かうが、そこは狼男や人を惑わす妖精が跋扈すると噂の森が広がる地だった。
久しぶりの本格的な調査で科学的な小話が多く、本筋よりも楽しめた。
そして結末は切なくやり切れない悲しさでいっぱいになるが、それにたどり着くまでのロベルトの宗教講和がしつこく、そのあたりには興味がない私にはひたすら退屈だった。
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2018年07月29日 読了
犬にかまれて生き残ったことが大きな意味を持つと悟ったヴァンとユナ、そして違う方向から同じ病を探っている医術師のホッサル。
これまで出会ってきた民族の長たちと知恵を出し合い導き出された病の元とは。
ヴァンとホッサルが出会って、泥沼の政治的戦いが起こらなかったことでホッとした。邪な気を持つ者の人となりはあえてさらりと書かれているため、そちらに感情移入することはなく、複雑な善悪を感じずに済み、素直に物語に入り込める。
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2018年07月29日 読了
戦士団<独角>の頭であったヴァンは、戦に敗れ、岩塩鉱に囚われていた。
地獄の様な日々をすごし、死を待つだけだったヴァンだったが、ある夜、犬たちが岩塩鉱ににやって来て奴隷を次々と襲い、奴隷たちは死ぬ。ヴァンただ一人を残して。
残酷な出だしだが、それゆえに惹きつけられ、止まらない。
奴隷を襲った犬、狼、飛鹿など、動物がたくさん登場し、きっとそれが肝になるんだと悟らせる。
二人の主人公が交わるときに何が起こるか、気になってしょうがない。
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2018年07月26日 読了
将軍家より下賜された茜の茶碗が盗まれた。それを取り戻すため、藩命により浪人となった小宮山は、盗賊の用心棒となった。
しかし藩からの理不尽な要求と扱いに、小宮山は次第に心を削り取られていくような気持になっていた。
自らの身を落としてでも藩命を遂げようとする小宮山と、仲間とは言え悪事を生業とする盗人たちは、どんな縁を結んでいくのか。
エライ人たちと庶民との差、そして人となりの差をくっきりと分けていて解り易く、そしてスッキリ解決もする。
すらすら読めるし終わりも良いけど、強い印象は残らない。
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