2009年10月12日 読了
第14回鮎川哲也賞受賞
社会的地位のある男の失踪、いくつもの密室殺人、そしてある画家の真実を含む絵。
ミステリとして充分なアイテムが的確に配置されていておもしろい。狂気を孕んだ女の不気味さや、達観した男の眼差しが目に浮かぶ。
でも、最後の謎解きの場面で起こる乱闘はなにやら違和感。
まるで、ミステリの最後には必ず必要であると思い込んで無理やり入れたよう。むしろ真之介が最後に出てこなかったことのほうがおかしい気がする。
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読書と編み物の記録
2009年本文作成
2009年10月12日 読了
第14回鮎川哲也賞受賞
社会的地位のある男の失踪、いくつもの密室殺人、そしてある画家の真実を含む絵。
ミステリとして充分なアイテムが的確に配置されていておもしろい。狂気を孕んだ女の不気味さや、達観した男の眼差しが目に浮かぶ。
でも、最後の謎解きの場面で起こる乱闘はなにやら違和感。
まるで、ミステリの最後には必ず必要であると思い込んで無理やり入れたよう。むしろ真之介が最後に出てこなかったことのほうがおかしい気がする。
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2009年10月08日 読了
しっかり者の浩美がひと夏のアルバイトを沖縄に決めた!
沖縄のホテルでやっと慣れてきた頃、突然転勤させられる。バイトで転勤って。。。
リゾートのホテルにやってくるお客さんと、昼行燈のオーナー代理、気のいい双子のおばーちゃんやほがらかな調理のおばさん。
似たような話はたくさんあるし、取り立てて突飛なこともない。でも安心して読める。
時々登場する友達のサキとのメール。どうやら彼女版といえる姉妹本があるらしい。
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2009年10月06日 読了
沖縄の離島を舞台にした親子2代にわたる命をかけた愛。
映画の原作だということは読み終わって知った。
南国で、海に命を取られる人がいて、愛する人のために潜り、心を病み、やがて救われる。
よくある話だけれど、それでも充分に引き込まれた。
心の病は薬で治せる。と私も言われた。でも全く疑問も実感もなく飲んで、それで本当に治るのか。などと考えること自体やめたほうがいいと言われたが。。。
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2009年10月04日 読了
21世紀の最初の年に21歳になる21人。
こんな偶然が結びつけた絆。
クラスメイトの死がきっかけで語られる同級生の今と過去と、「彼」への思い。
とても静かに涙が流れる様子をそのまま綴ったような話だった。
その絆は確かにあるのに、必死に守ろうとした彼。
ありふれた格言を言われるよりずっと心に残る。
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2009年10月02日 読了
前作「HEARTBEAT」の登場人物で綴られた、NYでの物語。
前作でとても印象的だった脇役たちにまた出会えて、それだけでなんだか嬉しかった。
事件はまさに彼らの中心で起こり、また二つのストーリーが見事に繋がる。
そしてやっぱり「人ではないもの」の登場となるのだが、今度は前よりすんなりとなじめ、強い意志が残る。
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2009年09月30日 読了
前作「配達あかずきん」は短編だったけれど、今回は信州に出張し、しかも長編。
前作から何となく気になってはいたのだけど、ちょっとした謎を気にかけ、謎解きを始めようと思うきっかけが薄い。なぜそこで気持ちがそう動くのかという動機がいまいち。そこがなければ探偵も始まらないのだから。
それでも本屋の魅力は充分にあり、長編の意味もあった。
中だるみな点もあったし、後半の思わせぶりは不愉快ではあったが、登場人物が魅力的。
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2009年09月27日 読了
就職活動中の女子大生。「平服で」といわれて豹柄ブーツで行ってみると周りはみんなリクルートスーツ。
なんていう、ちょっとゆるい感じの就活話。
とくに大きな事件が起こるわけでもなく、ちょっとした普通の出来事をだらりだらりと書いてある。
この人の作品で最初に読んだ本の印象が強かったせいか、他の本はずいぶんと軽い後味。
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2009年09月26日 読了
『まんまこと』の続編。
相変わらず素っ頓狂な町名主の息子・麻之助。
前作の流れの後、お寿ずを嫁にもらってからのお話。
町名主の仕事柄、剣呑なことも持ち込まれるが、それを今回も見事にこなす。
相変わらずさくさくと読み進められる。
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2009年09月24日 読了
10年後の午前10時に、この場所で。。。
一昔前に流行ったような青春の約束。その約束を果たすためにニューヨークの<暗闇>から戻ってきた。そのはず。。
交差する二つのストーリー、それがどんなふうに織り合うのか。
そこまではよくある話だけど、謎が思いもかけないものばかりでなかなかおもしろい。
登場人物がとても素敵で、3時間ほどで読めてしまった。すごく引き込まれ、集中して読んでいたけれど、結末をもうちょっとリアルにしてほしかった。そこだけが残念。
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2009年09月24日 読了
駅ビルの中にある本屋さんで働く杏子。仕事の中で起こる不思議がいつしか謎解きに。。。
本屋が舞台で、ミステリーで、もちろん本がきっかけで。
本好きにはたまらない設定。しかもちゃんと恋愛も絡んできて。
懐かしくてちょっと甘い後味が残り、少しずつ薄れるそれをできるだけゆっくりにしたい。初めて見た和菓子を食べたような感覚で、ゆったりな感覚になれる。
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