おはぐろとんぼ 江戸人情堀物語


2013年05月30日 読了
 江戸の下町で暮らす人々の、ちょっとのため息と共に訪れる幸せの物語。

料理茶屋で働く女、自分のことを神仏の化身であると言う男児、行方知れずのままの娘を諦めきれない旦那。

 市井の暮らしを描く話の中でも、わりと後味がいい本。

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バーにかかってきた電話


2013年05月29日 読了
 いつものバーで飲んでいると、コンドウキョウコという女から妙な依頼の電話がかかってくる。

 映画の原作。
おもしろいが、文だけでは分かりにくく、映画を見ていたからわかったことも多い。

 前作でも思ったことだけど、このシリーズは登場人物の区別がつきにくい。
さらに、細かい伏線がしだいに繋がるのはサスペンスや探偵小説では見どころなのに、そのきっかけが曖昧すぎる。
違う見かたもできるのに、そのまま進んでいくので納得がいかない。

 映画よりもすっきりしない終わり方だった。

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探偵はバーにいる


2013年05月27日 読了
 北海道ススキノのバーを拠点に探偵をしている<俺>。
今日もバーに電話がかかってくる。

 大学の後輩から、同棲している彼女が帰ってこないという。
くだらないことと思いつつも断れず探るうち、とあるホテルで男が殺された事件に繋がってしまう。

 小さな出来事が次々と広がり、伏線ばかりで混乱していると、全てが繋がる。
でもワカリニクイ。方言と、まわりくどい説明。

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パンドラの火花


2013年05月24日 読了
 死刑が廃止された。その時国は、それまでに死刑の判決を受けていた者たちの処遇に困ることになった。
 そして政府は、死刑判決を受けた囚人に「犯罪を犯す前の過去に戻って、自分を説得して来い」と命じる。
 過去へタイムトリップをして、犯罪を起こさせないようにすれば、死刑囚は死刑囚でなくなる。

 3人の死刑囚が過去でどんな行動をするのか。事件は回避できるのか。
パンドラの箱を開いた人類の話というより、メビウスの輪といったほうが近い。
似た話はたくさんあるし、だらだらと長い。

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鈴の神さま


2013年05月22日 読了
 四国の田舎、小さな山のてっぺんに住む、かわいい神様。
鈴の神さまである少年は、安那と名乗った。
花が咲くように笑い、好奇心旺盛で何にでも喜び、走り回る姿はとても愛らしい。

 表紙のイメージそのまま、ほんわかとして優しい気持ちで読める。
人とは違う時間軸で生きる彼らと、村に住む人間たちとの交流がほほえましい。
そしてそれは、代々受け継がれていく。

 また会いに来ると約束した冬弥が、ある事情で14年もたってから村にやってきた時の安那の台詞に胸が詰まる。

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筋違い半介


2013年05月21日 読了
 筋の通った話は大嫌い、と半助は旗本である家を飛び出し、こともあろうに岡っ引きとなた。
 凶作で飢える村人をよそ眼に、こっそり米を食っていた村役の家に、村人たちはある目的で忍び込む。

 突飛な登場人物で思いもよらないことをしでかす、短編集。
でも後半に行くにつれ、勢いは薄れていくように感じた。

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けさくしゃ


2013年05月19日 読了
 お江戸の旗本である高屋彦四郎、通称種彦さんは、あるとき気まぐれに語ったお話が版元の山青堂の目にとまり、本にしないかと持ちかけられる。
 そのうちだんだん戯作好きが高じ、自身の首を賭けるもめごとにまで発展してしまう。

 話が進むにつれて混沌としてくる。山場というよりは混乱で、始めの1話ほど戯作が盛り上がらない。
途中で進路変更をした感じがするため、すっきりしない進み方だった。
1話ごとの導入部も、ふざけすぎているようで感じが悪い。

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ディアスと月の誓約


2013年05月17日 読了
 かつて力の強い魔法使いが月を引きずり降ろし、凍土の地を人が住めるようにした。
3つあった月のうち2つを使って。
最後の一つを使わないように、その凍った土地に住む獣の王である伝説の鹿サルヴィが自らの命を差し出し、長い約束が交わされる。
 
 きれいで残酷なファンタジー。
サルヴィとの約束を果たすために、優しい王子が生まれる。

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つくもがみ、遊ぼうよ


2013年05月14日 読了
 江戸で損料屋をしている「出雲屋」のお紅と清次。
今は夫婦になって子供もいる二人の店は、つくもがみがたくさんいるために騒がしい毎日を送っていた。
 子供の十夜は、二人の幼馴染と共につくもがみ達と仲良くなり、新しい仲間の双六と勝負を始める。

 お紅と清次のはすっかりわき役になった。ご近所のやっかいごとに首を突っ込む子供たちの無茶を叱りながらも、つくもがみ達と少し距離が近くなる。
微笑ましい。

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消失グラデーション


2013年05月11日 読了
 男子バスケ部に在籍しているが、ろくに練習にも出ず、たまに試合のビデオを撮ったりする不真面目な生徒。
そんな主人公の椎名康は、同じバスケ部員で憧れている網川が、自傷するほど思いつめて屋上から落ちたところに出くわした。

 きれいにカモフラージュされていて、最後まで気付かなかったことがたくさんあった。
でも、ミステリとしてうまく騙されたという気持ちにはなれず、ただ理不尽に裏切られたような読後感だった。
キャラクターは面白いのに、好きにはなれない話。

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