花しぐれ 御薬園同心 水上草介


2018年02月19日 読了
 御薬園同心・水上草介。園丁たちから水草さまと呼ばれるほどののんびり屋。2年後には医学を学びに紀州へ旅立つ事が決まっているのに、近頃は漢方蘭方融合の施術を行う園内の養生所を快く思わない目付け役人が時折顔を見せるようになり、なにやら周りが騒がしくなる。

 煮え切らない草介は、周りが次々と動き出してからやっと己の意志を見つめる。
蘭方医・河島が牢に入れられたりと物騒なことが起こり、ひやひやする出来事が続く中、次に繫がる決意と共に終わってしまった。
続きが読みたくなる。

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まるまるの毬


2018年02月09日 読了
 江戸麹町の菓子舗「南星屋」は、親子3人で全国の和菓子を日替わりで出す小さな店。
できるだけ庶民にも買いやすいよう価格を抑えたおかげで、近所では評判だった。

 そんな菓子屋の主・治兵衛は、武家の次男坊だったのだが、10才の時に自ら菓子屋に修行に出た。治兵衛には誰にも明かせない秘密があり、そのせいで拾ってくる厄介事が大きく家族の運命を揺さぶり、どうにもならないうえにぶつけることろもない気持ちを切なく描く。何より大事なのはなにか、それぞれが感じる幸せと不幸せを詰め込んだ作品。

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三人屋


2018年02月07日 読了
 朝は三女の喫茶店、昼は次女のうどん屋、夜は長女のスナックと、父が残した喫茶店を使って姉妹それぞれが商いをする店が、年寄りばかりのラプンツェル商店街にある。
そこにやってくる癖の強い常連たちと姉妹の物語。

 仲が悪い姉妹という設定で、でも店は仲良く使う。
一番奔放な性格の長女が突然店の積立金を持っていなくなった頃、そういえば伏線がちゃんとあったと気づいたけど、それくらい興味をそそらない。
読み終わってからも、結局なんだったんだと思ったくらい薄っぺら。

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テーラー伊三郎


2018年02月05日 読了
 福島の保守的な田舎町で暮らす、高校生の海色(アクアマリン)。
ポルノ漫画家の母を持つという特殊な家庭環境が、紳士服仕立て屋「テーラー伊三郎」に飾られた美しいコルセットに興味を持たせ、田舎町の窮屈を吹き飛ばす。

 「法医昆虫学者」シリーズの赤堀くらいのハチャメチャぶりが、海色の母だけではなく、町のお年寄りにも広がっていて、ずっと大騒ぎな気持ちで読み進められる。窮屈で息苦しい出だしが、次第に大きく爆発するよう。
 あっという間に読めて満足感も大きいけど、出来上がったコルセットやおばあさんたちが着た着こなしを実際に見てみたい。想像だけではきっと追いつかない。

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テーラー伊三郎 [ 川瀬 七緒 ]
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マイ・ディア・ポリスマン


2018年01月31日 読了
 元捜査一課の刑事だった宇田巡が、幼い頃住んでいた街の交番勤務になって戻ってきた。
幼馴染の副住職と一緒に街を見守っているつもりでいたら、漫画家志望の女子高生から遠回しなSOSがやってくる。

 穏やかに過ぎる毎日のなかで、事件というほどでもないけど困っている人がいて、それを知った天才的な掏摸の技を持つ女子高生がこっそり助けを求めるという、静かなオオゴト。作者の本では一番よくある話。
そして主人公やその周りの人間も、何か重いものを抱えていそうという思わせぶりところも同じ。流れですいすい読めるけど、何も残らない。
 で、金貸しの天野さくらはなにしたのさ。恩を返すって大きなこと言って何もしてないじゃないの。

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7日間の身代金


2018年01月28日 読了
 弟と先妻の息子が誘拐されたと友人から打ち明けられた千秋。
一緒にプロのミュージシャンを目指す恋人の要之助と一緒に、にわか探偵となって犯人を捜す。

 まだ携帯が珍しかった時代。身代金受け渡しに出かける友人の車を尾行する二人が取れる連絡手段が公衆電話というもどかしさ。
関係者がほとんど殺され、すっかりすべてが終わった頃になって、犯人が予想されてくる。ある意味想像通りだけど、展開はとても楽しく、トリックや周到で大がかりな工作は犯人の狂気と覚悟の大きさをよく表していた。

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キネマの天使 レンズの奥の殺人者


2018年01月24日 読了
 スクリプターという、映画政策においてフィルムを繋ぐときに矛盾が出ないようにすべてを記録する仕事。
そんな仕事をする亜矢子の毎日は忙しい。
ところが、撮影が佳境に入ったという時に、主役のスタントをしていた男性が殺されてしまう。

 久々の赤川次郎。
相変わらずのスピード感で気持ちよく読める。
そしてちょっと間抜けな掛け合いも。
印象に残るほどではないけど、ハズレがない安心感がある。

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キネマの天使 レンズの奥の殺人者 [ 赤川 次郎 ]
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バック・ステージ


2018年01月15日 読了
 新入社員の松尾はある晩会社で、先輩の康子がパワハラ上司の不正の証拠を探している場面に出くわし、なぜか手伝わされる。
よくわからないままつき合わされ、犯罪すれすれのことまでして証拠をつかむが。

 賑やかに大騒ぎの短編がいくつか。
それは一つの出来事をそれぞれの人たちが自分の視点で見た事件。
最後はちゃんと繋がるが、一つ一つがぶつ切りで終わっているためにすべて読み終えるまでは消化不良でもやもやしたまま。
濃い人たちが自由に動き回るために未完成感が大きく、終わってもすっきりした気分になれない。

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バック・ステージ (角川文庫) [ 芦沢 央 ]
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夢の花、咲く


2018年01月11日 読了
 朝顔を育てるのが何よりも好きという同心、興三郎。
仕事は奉行所の姓名掛だが、なぜか人殺しの捜査に加わることになってしまう。
荒事はからっきしながら、毎日眺める人別帳の記憶が不可思議な行動をする者と結びつき。。。

 また黄色い朝顔の話か、とうんざりしたが、それがメインではなく、陰謀渦巻く朝顔の品評会の話だった。
だが盛り上がりに欠け、うっすらとした余韻が残るくらいでさして印象深い出来事もなく、そっと終わる。
読後感も薄すぎて読んだ感想が出てこない。

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夢の花、咲く (文春文庫) [ 梶 よう子 ]
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